映画だ〜い好き        文は福原まゆみ


尾形映画プロデューサーの友人が仕切る映画制作会社で働く映画好き女史が
エッセーを連載してくれてます。
映画女史、入選を喜んだ後にちょっとした逆境が待ってました。




【映画祭に参加する準備】


関わっている映画が3本。次々と海外の映画祭へ入選を果たしている。かと言って私自身

に何が起こるという訳でもないのだけれど、気持ち的に結構報われる。

そのうちの一つ『標的』と言うドキュメンタリーは、映画祭の記者会見が終わり、ライン

ナップが公式に発表されたため、こちら側からも大いに宣伝して良しとの許可が出た。

正式招待が決まり通知が来たのは随分早かったけど、そこから記者会見までの長かったこ

と! 朗報は一刻も早く支援者にお知らせしたかったので、秘密にしておくのが辛かった。


本作は、従軍慰安婦問題を記事にした朝日新聞の元記者・植村隆氏に対するバッシングを

取り挙げたもの。それが国際映画製作者連盟の認める(お墨付きとなる)釜山国際映画祭に

入選し、10月6日から開催される本番でワールドプレミアされることとなった。これは快

挙と言っていいだろう。


今後の海外展開のこともあって、私も参加する方向で準備を進めていた。4年ぶりの韓国

とあって、心躍る。


ところが、このコロナ禍だ。渡航の為にはワクチン接種から14日が経過していなければな

らず、私の2回目の接種は逆算するとギリギリ初日に間に合わない。監督は大丈夫だから、

監督だけ行ってもらう事になった…と思ったら、今度は韓国政府が入国条件緩和許可国か

ら36の国を除外し、そのリストの中に日本も含まれてしまった!! つまり、韓国に行けはす

るが、14日の隔離期間は短縮されないのだ。しかもその14日間は宿からなにから自費。

更に帰国後も14日間自主隔離しなければならない。前後で1か月以上取られてしまうのは、

さすがにイタイ。悩んだ挙句、行くことにした監督。腹を括ってフライトや宿の手配を進

めた。


すると、今度は除外措置が9月いっぱいで終わることになり、またしてもフライトや宿の

取り直しだ。あー、こんなにもコロナに振り回されるとは!ともあれ、映画祭に罪は無し。

遠くから様子を見ながら、映画祭の成功を祈っていようと思う。





ご感想は題を「映画だ〜い好き感想」と書いてこちらへ(今号中か次号に掲載)


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2018/4/2/映画三昧
4/9/一番好きな映画は?
4/16/ぜんぶ、フィデルのせい
4/23/ニクソン三部作―本当はもっとあるけど
5/1/モントリオールの想い出
5/7/サウンド・オブ・ミュージック
5/14/映画のタイトル
5/21/恩師の思い出
5/28/劇場の閉館
6/4/天才のウソとホンキ
6/11/リチャード・ファーンズワースの遺作:コメント1
6/19/マリー・アントワネット
6/26/深田監督のトークショー
7/4/夏の映画
7/10/映画の都パリ
7/17/モダンタイムス
7/24/チェコ大好き
7/31/人形劇と映画の『三銃士』
8/7/空想映画館
8/14/iPhone映画
8/21/映写技師
8/28/夏の映画 青春篇
11/5/お熱いのがお好き
11/12/映画もヘビロテ
11/19/ボヘミアン・ラプソディ
11/26/映画のタイトル
12/3/クリスマスの降誕劇
12/10/日藝映画祭
12/17/クリスマスの映画
12/25/クリスマスのSF?映画
12/31/今年の観納め

2019/1/7/初シネ
1/15/ファミリー・ツリー
1/22/モンスターズ・インク
1/29/何をやってもいつも○○
2/5/第91回米アカデミー賞

2/12/天才作家の妻 -40年目の真実-
2/18/ビッグアイズ
2/25/新しい映画祭
3/4/日本アカデミー賞
3/11/『サッドヒルを掘り返せ』を見る前に
3/19/イーストウッド10年振りの主演作
3/25/グリーンブック
4/1/さようならアニエス・ヴァルダ
4/15/あん
4/22/バリー・クック監督
4/29/バリー・クック監督が…
5/13/映画祭運営
5/21/西鶴一代女
5/27/『二宮金次郎』公開前トーク
6/3/『二宮金次郎』封切り
6/10/映画の雨
6/17/『少年時代』
6/24/インターナショナルであること
7/1/私的泣く映画
7/8/『新聞記者』
7/17/母校訪問
7/22/さらば愛しきアウトロー
7/29/未だ観ぬ映画
8/5/長いお別れ
8/20/映画でひんやり
8/26/映画祭とフィルムフェスティバル
9/2/ドン・キホーテを殺した男
9/9/高畑勲展
9/17/映画と音楽の夕べ
9/24/酒豆忌
9/30/隣人のゆくえ
11/5/大林宣彦監督
11/11/表現の自由
11/18/『一粒の麦 荻野吟子の生涯』
11/25/映画で食べていくこと
12/3/12月に観る映画
112/9/まだ見ぬ『アイリッシュマン』
12/18/ドキュメンタリー『馬ありて』
12/23/活動弁士よ永遠なれ!
12/30/ノーマークだった『ラスト・クリスマス』

2020/1/6/お年玉
1/14/寅さん
1/21/第第43回日本アカデミー賞
1/28/イーストウッドに乾杯!
2/4/『キャッツ』の評価はなぜ低い?
2/10/韓国映画『パラサイト 半地下の家族』4冠!
2/18/『名もなき生涯』
2/25/『1917命をかけた伝令』
3/2/時代劇の脚本
3/9/第43回日本アカデミー賞
3/16/9回目の3.11に『Fukushima 50』
3/23/もっと評価してほしい映画の話
3/30/パンデミックと言えば
4/6/オードリー・ヘプバーンの『初恋』
4/13/歌う監督
4/21/四月の雨の日
4/28/劇場再開の願い
5/5/【迷子の警察音楽隊】
5/11/映画館で観たい
5/18/コメディ『生きるべきか死ぬべきか』
5/25/短編映画『Aida』世界を回る
6/8/『るろうに剣心』
6/15/【サファイア、オスカル、イェントル、アルバート】
6/22/『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』
6/29/【生誕100年の二人】
7/7/【編集のマジック】
7/13/【ホワイト・バランスの思い出】
7/20/【パブリック】
7/27/【風と共に去りぬ】
8/4/【職業病みたい】
8/11/【コロナ禍と映画祭】
8/17/【ナショナル・トレジャー】
8/24/【生涯現役プロデューサー】
8/31/映画音楽ドキュメンタリー『すばらしき映画音楽たち』
9/7/【これからの映画作り】
9/14/【これからの映画作り 2】
9/21/『ようこそ映画音響の世界へ』
10/5/【久しぶりに観客となる】
10/12/【ヴァイオレット・エヴァ―ガーデン】
10/19/【カメラ選び】
10/26/【みをつくし料理帖】
11/3/第33回東京国際映画祭
11/9/【第33回東京国際映画祭 クロージング】
11/16/『鬼滅の刃 無限列車編』
11/24/Zoetrope ALL STORY
11/30/玄関ポーチ理論
12/7/ストローブ=ユイレの軌跡
12/14/実写版『ムーラン』
12/21/映画の街・調布
12/28/2020年の日本アカデミー賞

3021/1/4/【スタートは小津】
1/12/【ワンダーウーマン1984】
1/18/【ソウルフル・ワールド】
1/25/【名画座・早稲田松竹】
2/1/【映画とは】
2/8/【MINAMATA】
2/15/『花束みたいな恋をした』
2/22/【すばらしき世界】
3/1/【ヤクザと家族】
3/9/【書き文字デザイン】コメント1
3/16/【野球の映画あれこれ】
3/22/【第44回日本アカデミー賞】
3/29/【東京国際映画祭が変わる】
4/5/映画『瞽女 GOZE』コメント1
4/12/アメリカ映画『ミナリ』
4/19/【監督ランチ会】
4/26/『おばあちゃんの家』
5/3/『それでも夜は明ける』を語る会
5/10/【シネマ&ピアノ】
5/17/【チェブラーシカ】
5/24/【フィルム映画】
6/7/【映画制作資金】
6/14/【HOKUSAI】
6/21/【祇園の姉妹】
7/5/【言い訳】
7/12/【企画マーケット】
7/20/【企画マーケット2】
7/26/『犬部!』
8/2/ドキュメンタリー『標的』
8/10/『タクシードライバー』
8/16/【映画界のグランマ・モーゼス】
8/24/『少年の君』
8/30/タルコフスキー『僕の村は戦場だった』
9/7/【映画なんてど〜でもいい友人の話】
9/15/『子供はわかってあげない』




目次

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