映画だ〜い好き 文は福原まゆみ
尾形映画プロデューサーの友人が仕切る映画制作会社で働く映画好き女史が
エッセーを連載してくれてます。
映画女史、コロナ禍の中、業界関係者と話しました。
【これからの映画作り】
先週は国内外の映画監督、プロデューサー、制作会社の方々とのミーティングが続い
た。コロナ禍にあっても将来に焦点を合わせて活動している方ばかりで、大いに励ま
しを受けた。皆さんが仰るには、「一応プロジェクトに支障をきたした」とのことだ
けど、”一応”なのだ。まるで毎度の事のようにさらりと言ってのける。映画作りは
いつもどんな時も大変だから、コロナ問題もOne of themなのだろう。コロナ禍が大
したことじゃないと言っているのではない。それだけ大変なことが日常的に起こるの
が映画作りだと言うことなのだ。
皆さんキャリアの長い方ばかりで、これまでバラエティ豊かな作品作りをされてきた
方々なのだけど、コロナの影響なのか、今回は皆さんの取り組みが、より一層社会貢
献に比重を移したような印象を受けた。障がい者への配慮、社会的弱者への視線、雇
用の創出なども含めて、映画の内容にも上映の形態にも。
そんな内容の映画は、“真っ当すぎる良い話”として蔑まれる風潮があるが、力も実
績もある方々がこの様なことを堂々と語っておられるのは実に頼もしい。
”真っ当過ぎる良い話”からも優れた映画は生まれているぞ!話を料理する才能の問題
ではないのか?と、私などは思うのだ。「どんな文章でも脚本にできる」と評された
のは、水木洋子だったか、和田夏十だったか…。
また、ミーティングの中で見えてきたのは、制作現場の改善と言う仄かな光だった。
パワハラ、セクハラ、ギャラの不払い…。それらが減り、寧ろ雇用を生み出す希望が
感じられる。実際そうし続けている方もいらっしゃったのだから、あながち夢でもな
いかもしれない。頑張ろう。