映画だ〜い好き 文は福原まゆみ
尾形映画プロデューサーの友人が仕切る映画制作会社で働く映画好き女史が
エッセーを連載してくれてます。
名監督にはサポートする名プロデューサーがついていました。
大林宣彦監督
第32回東京国際映画祭で、大林宣彦監督作品『海辺の映画館―キネマの玉手箱』が上映
され、豪華出演者に囲まれる形で大林監督が登壇された。病身で車いすに乗っての登壇
だったけれど、「これから3000年は生きますよ」と力に満ちたメッセージを語られた。
翌日上映された『野ゆき山ゆき海ベゆき』の舞台挨拶でもご登壇される予定だったが、
体調不良の理由で急遽ご来場中止となった。大林監督の体調がとても心配でたまらない。
その上映を観に来ていた東京国際映画祭のOBのMさんが、急遽お話くださることとなっ
たのだけど、なぜこれが可能となったかと言うと、Mさんは本作のプロデューサーだっ
たのだ。どうなることやらの非常事態に、これ以上適任の代理登壇者はいない。撮影時
のエピソードなどを披露してくださって、観客からの拍手を浴びられた。
大林監督と同世代のMさん。私はMさんの予定外の登壇に二重の意味で胸が締め付けら
れる思いだった。武男/宮本信子