映画だ〜い好き        文は福原まゆみ


尾形映画プロデューサーの友人が仕切る映画制作会社で働く映画好き女史が
エッセーを連載してくれてます。
インドネシアでの業界不思議な常識




深田監督のトークショー


深田晃司監督の『海を駆ける』を二回観た。一回目の時は荷物が多かったため、かな

り大きなバッグを持って行った。鑑賞後、劇場を出ると、私と同じバッグを持ってい

る人がいてびっくり。そして更に驚いたのは、なんとそれが深田監督だったこと。動

揺激しく、「あ〜あ〜これ〜」と、バッグを指さしながら慌ててご挨拶した。因みに

そのバッグは2年前の東京国際映画祭のオフィシャルバッグだから、事務局員は全員

持っているのだ。後にFBで友だち申請したら、「かぶっちゃいましたね」とメッセー

ジをいただいた。


二度目に観た時は前田司郎監督とのトークイベントがあり、どんなお話が聞けるのか、

とても楽しみだった。トークが始まって驚いたのは、深田監督がおそろしく早口だっ

たこと。前田監督も早口だから、畳み込むような弾丸トークにすぐ追いつけなくなっ

た。それを察した前田監督が「ゆっくり話さないと、なに言ってんだかわからないよ

〜」と言ってくださった。「深田監督って、せっかちなのかなぁ?でもそこがなんと

も言えない魅力なのだ」なんて失礼なことを考えながらトークを楽しんだ。

短いトークタイムに嬉々として話されたのは、レインストッパーの話だった。インド

ネシアの撮影スタッフには、必ずこのレインストッパーがいると言うから面白い。お

まじないか何かで不都合な雨を止める特殊なスタッフ。始めは「まさか〜、こんなの

いらないだろう」と思ったそうだが、意外にもストップ率が高いとのことでやっても

らうことに。すると本当にとても都合よく雨が止んで、撮影がスムーズに進んだらし

い。因みにレインメイカーという役割もあるとか。ただし、こちらは時間がかかるた

め映画のクルーに入るのは、専らストッパーの方なのだそうだ。

こんな話、他では聞けない。う〜ん、面白いなぁ! 


『海を駆ける』
監督:深田晃司
撮影:芦澤明子
主演:ディーン・フジオカ
製作国:日本/インドネシア/フランス
上映時間: 107分
公開: 2018年


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