1/15のしゅちょう
            文は田島薫

戦争を止める方法、について 88


戦争は世界のあちこちで起こってるんだけど、大多数の人々がそん

なに気にもしないで平気で日常生活続けてられるのは、結局、その

大多数にとっては自分の命や生活を直接脅かすもんではないせいで、

戦争は悲惨でよくないことだ、って口で言ったりする一方、もし、

他国が攻めて来た場合は戦うのが当たり前だ、って気楽に言ったり

もするのもそのためなのだ。

で、そう言う呑気なことを言う連中はほぼ全員、悲惨な戦争体験を

してないのであって、いつ死ぬかわからなかったり身内や友人たち

を戦争で亡くした体験者たちはそういったことは言わずに、戦争は

絶対反対、って言うはずなのだ。

戦争反対、ってことはだれでも言えるし、戦争に賛成、って人はま

ずいないのに、その戦争反対、って言葉には、色々条件をつけて来

るのは、自分の頭でモノを考える習慣のない普通の人々なのだ。

普通の人々は、いわゆる常識人で、例えば国の政府の政治家たちの

意見を妥当なものとウのみにして、例えば、若者が、日本なら平和

憲法に基づいた平和外交に徹して軍拡はやめるべきだ、って言えば、

現実はそんな甘いもんじゃない、核武装した中国や北朝鮮が攻撃し

て来たらそれに反撃する武力がなければ危険だ、などと言う。

そういった単純な認識が軍拡競争や敵視競争や戦争を起こす元凶だ

ってことに思いが追いつかないのだ。

核兵器などで軍拡を始めたのは、米国を代表する西側が先で、それ

に批判される東側はその脅威に危機感を感じて、同じことを始めた

んであって、こっちがより軍拡すれば、あっちも負けずにそれをす

る、って馬鹿げた競争の悪循環になり、ついでに相手に不信や敵意

も育て、自国本土に影響が及ばないとわかれば、気楽に他国へ軍事

侵攻したり、自国支持の政府に軍事支援したりするもんで、戦争は

すぐ始まるし、始まるとなかなか終わらないで、喜ぶのは、どっか

の国の軍事産業とそれに支持される政治家だけなのだ。

気楽な小さな戦争をわれわれが傍観してる間に、一般庶民たちが絶

えず生活や命を壊滅させられ続けてるのだ。

だから、当事者もそうだけど、当事者以外は更に、戦争にどんな理

屈だろうがつけて継続を支持することは罪悪なのだ。




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