8/14のしゅちょう 文は田島薫
(戦争を止める方法、について 66)
だれもお互いが武力を尽して攻撃しあう戦争をしたいと思わないのに、
ロシアのプ−チン大統領だって、何年もウクライナの武力抵抗があるこ
とは予期しないで、ちょっと軍隊を送り込んでゼレンスキー大統領を脅
かして言うことを聞かせようとしただけなのだ多分。
もし、ロシアの軍事侵攻が迫るのを知った時、ゼレンスキー大統領が自
分の身の危険を感じて国外へ脱出しようとしたなら、その逃げ道をロシ
アは邪魔をしなかっただろうし、戦争は始まらなかっただろう。
しかし、それをゼレンスキー大統領にはできなかった気持はわからない
でもないのは、もし彼がそうしたら、臆病者のだめな指導者の烙印を押
される公算が強いだろうし、占領されたウクライナ国民も情けない弱気
の国民、って評価される危険がある、とも考えたかもしれないし、現実
的に、パレスチナを抑圧したイスラエルのように国民が圧制に遭うかも
しれない、と考えたかもしれない。
それで、祖国に侵攻してきた外敵を迎え撃つのは当然のことだ、ってそ
の正当性に自信を持って反撃を決断したのだろうし、自分らの戦う意志
をきっちり行動で示せばロシアもあきらめてすぐに撤退するかも、って
考えもあったかもしれない。
でも、両者の思惑はたいてい外れて、始まった戦争はなかなか終わらな
い理由は、双方のリーダーとも負けを認めたくないし認めることはプラ
イドが許さないのだし、続けてれば勝つ可能性もあるかも、って考えて
よほど有能な脳を所有してない限り思考停止してしまうのだ。
そのため、双方の国民のなんらかの誇りは守られたかもしれないけど、
戦闘に巻き込まれた地域や兵役を義務づけられた若者のいる家族の平和
な日常生活はぶち壊されてしまったのだし、終わらない戦争はその犠牲
を拡大し続けることになるのだ。
それでも双方のリーダーたちや支援する各国などがあまりそれを気にし
ないのは、自分たちの命の危険ではないからなのだ。
ロシアの理不尽な侵攻だと言うなら、それを当然のように反撃するんで
はなくて、国際世論や各国の応援も得て外交交渉でそれを訴えて落とし
所を探るのが、双方の国民の命を守る最優先行動なのだ。
戻る