7/3のしゅちょう
            文は田島薫

戦争を止める方法、について 60


ロシア軍の指導部を批判して軍事反抗を試みた、民間軍事会社ワグネル

代表のプリゴジンさんは、ベラルーシのルカシェンコ大統領の仲裁で、

ベラルーシへ逃れて(?)ウクライナへの戦闘を継続するつもりのよう

で、結局、対ウクライナ戦争について批判してるわけではなくて、自分

の管理する軍隊の扱いについて、ロシア軍に絡み取られてしまうだけで

自分の管理下から外れることに反抗してるだけだった模様。

ロシアへの愛国心からなのだろうけど、アフリカなどの紛争国へも軍隊

を送って利益を上げる商売なわけで、彼らに戦争終結行動を期待しても

だめなんだろう。第一、いくら戦争の空しさを訴えたとしても、それは

自分たちの方が経験のないあなたよりよく知ってるし、知ってる上で、

戦争というものは必要悪で、始まったら勝つことだけを目標に遂行する

だけだ、とかなんとか言われておしまいなんだろう。

軍事会社だろうが、軍隊だろうが、そのリーダーたちの感覚は、前線に

送られ、決死の突撃を命令されて、拒否すれば銃殺される立場と、そん

なむちゃな命令さえ咎められないような立場では違うはずだ。

とにかく、始まった戦争を止めるのは難しい、ってことは異口同音に言

われることなんだけど、それの理由のひとつは、リーダーたちには、自

分の身の安全を守るためにそれを止めなくてはならない緊急性はないこ

とと、愛国心を鼓舞したり、戦闘を批判する者は売国奴だ、などのプロ

パガンダが横行して、国民が反対の声を上げにくくなることなのだ。

だから、それを是非、第三者の国が和平交渉の仲介をすべきなのに、そ

れらの国々も戦争はいけないけど、始めた同士がやる、って言ってるの

をわざわざ止める必要はないだろう、特に西側の場合は、ロシアの侵略

から祖国を守るウクライナは正しいんだから、軍事支援してがんばって

もらおう、って態度ばかり、結局それらのリーダーの多くが、自分や自

国の安全を守るための緊急性を感じてないのだ。

西側諸国の中でも、世界唯一の核兵器被爆国であり、戦争参加を否定し

た平和憲法を持つ日本のリーダーは、それの仲裁に最も力を発揮できる

可能性があるのに、なんにもせずに、米国などの脳天気なウクライナへ

の軍事支援とロシアへの経済制裁の尻馬に乗って、それだけやってれば

自分の仕事は終わりだと思ってるらしいのだから困った。

ひょっとすると日本だって、日中友好を始めた田中角栄さんや北朝鮮と

の友好活動に効果を上げたアントニオ猪木さんが生きて元気だったら、

ウクライナとロシアの仲裁に貢献したかもしれないと思うんだけど、現

在、インドや中国やアフリカ諸国やフランスのマクロン大統領の孤軍奮

闘を傍観してるだけじゃない政治家が出て来て欲しいもんなのだ。




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