4/11のしゅちょう
            文は田島薫

(ウクライナ報道の公平性、について)


連日、ロシア軍によるウクライナ市民の虐殺死体が何十人何百人見つかった、

ってようなニュースと一緒に、ゼレンスキー大統領やバイデン大統領やわが

国の首相などから、ロシア軍やプーチン大統領の非道を断罪するコメントが

メディアに流れてるんだけど、ロシア兵の方の死者は数万の規模だと推定さ

れるのに、そっちの方の報道は西側もロシア側からもほとんどされない。

日本は米国を含めた西側の立場にいるものだから、ロシア側の非道を強調す

る報道には盲目的に信じてるんだけど、ロシア側では、そういった西側の報

道はすべてやらせのフェイクニュースだ、ってどうもロシア大使のような高

官も信じてるらしいコメントも報道されてて、現場で検証された事実を信じ

てないか、わかっていて完全否定する邪悪なロシア、ってようなニュアンス

で報道がされて、れわれもそのまま受け取る。

ロシア国内では、報道統制がされて、国民の大部分が上記のロシア側報道を

信じてるらしいんだけど、報道の自由さでは西側の方に理がありそうにして

も、ロシア側が西側のフェイクニュースを疑うことにも一理あって、米国な

どでは湾岸戦争時に重油にまみれた海鳥に代表されるようなヤラセ報道の前

科がいくつもあるわけで、戦争時に自国の優勢を誇張したり、相手国の非道

を告発批判することは古今東西、わが国でもやった経験があって、双方にお

互い様なことなのだ。

ウクライナの市民がロシア兵に殺された、って事実はあったにしても、それ

をできるだけ誇張して見せよう、って意図がウクライナ側にもあるはずで、

ロシア兵はプーチン大統領の命令でウクライナ市民を殺したのではなく、プ

ーチン大統領の指示はまず軍事施設を壊すことで、市民を標的にはしてない、

と言ってる原則は本気だったかもしれないんだけど、いくらそういう意図で

も自国へ侵攻してきて砲撃をしてるロシア軍に武器を持って反撃しよう、と

するウクライナ人は当然出て来るわけで、行列作ってやって来る戦車に向け

て爆撃を仕掛ける市民の攻撃の方が効率がいいわけで、ウクライナ市民を殺

すつもりは当初なかったロシア兵もそばでずっと行動を共にしてた同僚たち

が次々、どこから飛んで来るのかわからない砲撃などで殺され続けてたら、

ウクライナ市民が瞬時に憎悪の的になってもしょうがないかもしれないわけ

で、間違いの突端は戦車群を侵攻させてウクライナを力で屈服させようとし

た発想と行動の遂行にあったのであって、当然のなりゆきで戦闘が起きてし

まい、憎悪の悪循環が続いてる、ってことなのだ。

戦争は不毛なだけなのだから、とにかく始めない、不幸にも始まったら、な

んとか双方中止することに全力を注ぐ、ってことが一番いいのだ。




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