8/24のしゅちょう
            文は田島薫

(住環境と樹木、について)


私の住むさいたま市は東京のベッドタウンと呼ばれ、この数十年で私の家の

周囲も住宅が密集して、さらに子の代になって売却したりするため、狭い土

地に3階建て住宅の建て売り分譲も増え、さらに密集が進んだ。

近所の雑木林は早い時期に宅地にされたし、いろんな家の庭にあった大きな

ケヤキなどもそういった風潮につれて伐採されて来た。

経済効率でなるべく安価に家を建てたい人々の需要に答える不動産業者など

の熱心な営業の成果が出てる、ってことなんだろうけど、昔の風情を知って

私の目にはどうしても環境破壊が進んでるように見えてしまう。

先に住んでて特権のように環境を堪能してた自己中心的な感想なのかもしれ

ないんだけど、あまり風情がなくなったただの住宅地になるならもうどっか

景色のいい田舎に引越すのもいいかも、って思いなのだ。

それなら、私の場合、両親の住んでいた今も残る茨城の家でいいじゃないか、

ってことになりそうなんだけど、田舎であるはずのそこも同じ悩みがあって

特に道路沿いにある大きな木などはどんどん伐採されちゃうし、新建材の住

宅建て替えも進み、やっぱり景観がつまらなくなって来てるのだ。

その時期の近所の人々のそういった木々を伐採することへの感想は、道路の

落ち葉の処理が大変だとか、家のトイが詰まる、など都会と同じで、環境の

風情といったことには、無頓着な人が多い印象なのだ。

私の子どもの時に行ったそこは田舎らしく、林や生け垣やら、わらぶき屋根

の家々が美しかったのに、それが、住宅業者の効率のいい住建築営業や、住

民の便利志向のためか日本中同じようなつんつるてんの風景に変わった。

欧米などでは、住環境の景観などを行政が管理して、森や並木やらの整備や

住宅建築などにも美的な統一規制などをやるところが多いのに、日本では、

防火や耐震といった効率のみの規制しか行われてないようだ。

安倍政権は「美しい日本」などと謳ってるわりに、利益優先の業者まかせに

放任して、国土はどんどん醜くくなってるのだ。

私も以前近所の神社の木々が伐採されそうな時、行政に訴えたことがあった

んだけど、土地所有者の自由だ、って返答だけだった。

経済効率重視だけで環境整備してけば、環境破壊が進む一方なのだから、樹

木整備などはもっと所有者に補助金を出すなどしても、積極的に行政が規制

管理して行って国の文化的評価の下落現状を止めるべきなのだ。


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