6/29のしゅちょう
            文は田島薫

(緊急避難と保身の違い、について)


コロナ禍で日々膨大な赤字ばかりが増大し、政府の支援金は砂漠に水まくぐ

らいのもんだったんで営業継続に見切りをつけて廃業を決めた業者が何百何

千いるらしい中、自民党政府主導で、安倍首相に批判的な立候補者に対抗さ

せる形で自分に従属的なんで任命もした元法務大臣の妻の国会議員選挙立候

補に、ふだんの10倍にあたる1億5千万もの選挙資金を与え、その元法務大臣

は票の取りまとめを頼んで地域の複数の自民党政治家に金を配った。

それを受けた側のほとんどは、いったん拒絶の意志を示すものの、安倍首相

からの領収書のいらないここだけの内緒の金だ、って言う元法務大臣に逆ら

うのは、今後の自分の立場や政策のためにならない、とかの判断で、後で返

すつもりで一旦受け取った、って弁解する者が大部分のよう。

けっきょく、そういった地方政治家の判断は、保身、ってことを優先した、

ってことのわけで、政治の役割は国民の困ってる人々を救う、ってことが第

一の目的だとして、それを成し遂げるためには政治家の身分を失うわけには

いかないんだ、って理屈はもっともらしく聞こえるかもしれないし、当人も

そういうふうに自分を納得させてるのかもしれない。

一方、一般庶民の中小零細事業者や個人事業者がなんとかやりくり努力で持

ちこたえてがんばれた者はいいんだけど、にっちもさっちもいかなくなった、

って者にとっては、明日の生活費にも困る場合だってありうるのだ。

アパートを追い出されてホームレス状態になったり、ネットカフェで生活せ

ざるおえない者がコロナでそれを利用できなくなったり、無一文で飢え死に

寸前になる、って状況だってありうるわけで、そんな時に例えば、コンビニ

やスーパーで食料の万引きしたとしたら、それは許されるべきだ、って私は

思う、それは最低限、命を守るための緊急避難だからだ。

さらに一方、さっきの保身で金を受け取ることを許した政治家はどうか、命

を守るための緊急避難とは違う、保身、ってことは必要だったかどうなのか、

仮に、金の絶対受け取り拒否したとして、次の政治や選挙で支援を受けられ

なかったり妨害を受けたりしたなら、その実態を国民やマスコミに訴えたら

そういった悪習は消えて行くはずだし、仮に自分は選挙に落選したとしても

問題政治家は駆逐されたり環境が民主化するはずで、政治に貢献したことに

なるのだから、本当の志を持った者なら考えに離反しないはずなのだ。

自分は、数千万円の所得保障と政治家の地位に固執するのか、よりよい国づ

くりのための政治改革に貢献するのか、が結局問われることになるのだ。


戻る