(正直の幸福、について)
10年ほど前に、一般商品のダイレクトメールを身障者用と偽って身障者団体向
け郵便割り引き制度を悪用して正規郵便料金の差額をまぬがれてた団体や代理
店などの関係者が逮捕された時、その窓口責任者だった厚生労働省の村木厚子
さんも関与を疑われて逮捕され無罪がわかるまで半年留置されたんだけど、当
初私も含めたほとんどの国民も関与を疑ってたのに、ずっと毅然とした態度で
無罪を主張して無罪も証明され、最後に国民全体からの敬意を集めた。
その村木さんは警察小説のファンで、その作家今野敏さんとテレビで対談して
たんで、その時に私が見てて感じた大切な部分をご紹介。
私は今野さんの小説を読んだことはないんだけど、主人公はたいがい愚直なほ
ど正直もんで不正は全く許さないタイプだそうで、それは村木さんも同じだっ
たようで、事件が明るみに出た時に、検察は完全に村木さんの関与を信じて、
さまざまの脅しをぶつけたらしく、弁護士のアドバイスで村木さんはその一語
一句を記録しておいたんだけど、決めつけを強権的にくり返すばかりの実に馬
鹿げた取り調べ風景だったのに、村木さんは全く関与してないんで、知らない
って言い続けるだけ、家族全員が完全に無罪を信じて応援してくれてたことも
あり、精神的には安定してたそうだった。
で、けっきょく、正直はシンプルで一番楽なのだ、ってふたりの意見が一致。
たしかになにか不正を隠ぺいしようとするとどんどん複雑な言い訳を考えなく
ちゃならなくなるわけだから。
省庁などの官僚組織は昨今も話題にことかかない上司への忖度が常態化してて、
不正にも目つぶる傾向があるんだけど、村木さんはそういうものは拒否するん
で堅物とされて不正がらみの話は届かなかったのかもしれない。
組織全体の傾向に合わせ多少の不正に目をつぶる、ってやり方はじぶんだけの
責任にはならないんで楽なんだけど、実は知らぬ間に良心にしこりがたまった
りするストレスを負うもんで、少しの不正はいいのじゃ、ってところから取り
かえしがつかない状態になってるのが現在の財務省を始めとした、公文書偽造
やら廃棄やらやってる日本の省庁の役人どもなのだ。
だからそういった役人たちは実はストレスいっぱいなんであって、今後は是非
村木さんを見習って、上司からの不正要請にもきっぱりと、だめですよ、法律
違反になります、ってふつうに言えるようになると幸せにもなれるのだ。 |