3/2のしゅちょう
            文は田島薫

(リーダー任せのワナ、について)


このほどの新型コロナウィルス騒動で、安倍首相は子どもたちへの感染の危険を

主に回避する目的で全国休校や不特定多数の集まる集会の取り止め要請をした。

中国武漢や湖北省からの観光客の入国阻止やクルーズ船での感染者への対処の不

徹底で巷での感染者や下船後の感染判明などが続いたため、感染拡大の危機感を

持った側近などの意見を聞き、安倍首相は緊急判断したんだろう。

この判断には、初動対処の甘さへの国際的な批判や、東京オリンピック開催への

不安へのアピールの側面ばかりでなく首相自身の真摯な善意からの英断の自覚が

あったに違いないわけで、一概にその唐突さによる現場の混乱や非正規労働者な

どの苦境だけを理由に批判するのは酷なのかもしれない。

それが、それをしなければ感染拡大の可能性が増す、って言うのが事実であるの

なら、ってことなんだけど。それについては、首相や側近たちは非常に悩んだん

であろうことは察しがつくんだけど、本来はそれのもっとも有効な判断ができる

のは感染防止についてのデータを持ってる専門医のはずで、当初から彼らの意見

を尊重して徹底した政策を実行してれば、今になって無理矢理の休校のような要

請をする必要はなかったはずなのだ。

とはいえ現時点のその休校要請は、ある一定の危機感を国民全体に広める、って

効果はあるだろうけど、今の時点でも感染者のルートの徹底追跡とそれの具体的

開示と、それに関わった自覚の者たち中心の検診を徹底する、っていったことの

方が、全国どこにウィルスが散らばってるかわからない、って全国民に不安感を

与えるばかりの方策より有効かもしれないのだ。

それでも、安倍首相は自分がこの国の人々の命を守る責任があるんだ、って1人

様々な批判を浴びながらストレスの中頑張ってるのかもしれない一方、こんな混

乱状況になるのは全部安倍首相のせいだって責任を首相に押し付けて、自分の責

任はとらないで済む、って理由で要請にそのまま従って、集会中止したり休校を

強行したりしてる地方自治体リーダーもいるわけで。

安倍首相の要請は命令ではないのだから、各自の責任でもう一度検証して、休校

はしない、って判断があってもいいわけなのだし、そのようにしてるところもあ

るようだけど、どうも少数のようだ。

日本じゅうの公的機関の役人たちは、大本の人事権を持つ首相の顔色をうかがっ

てて、多少異論があってもぐっと飲み込んで首相の意向を待ったり、先回りして

忖度などしてるもんで、結局、首相の独裁政治のような形が通常化して行ってし

まう傾向になってるんではないのか。ひょっとすると、安倍首相は正面から真っ

当な意見をぶつけて来る人材をずっと待ってるのかも。


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