3/4のしゅちょう
            文は田島薫

(トランプ大統領とノーベル平和賞、について


このほど2回目の米朝主脳会談がベトナムであり、北朝鮮からの完全非核化の確約が

取れなかった理由で経済制裁継続、ってことになったようで、交渉を今後も継続して

行く、って方針をトランプ大統領は表明した。

トランプ大統領は、アメリカファーストを謳い難民の不法入国を防ぐ壁をメキシコ国

境に造るような政策や、大統領選に絡むロシア疑惑関連などで次々側近をクビにした

り、メディアに対して一方的で空々しいような誹謗中傷をくり返してるんで、内外の

世論から彼の独善ぶりが異口同音に非難されてるわけだけど、とりあえず、対北朝鮮

への対応は誉めていいんじゃないかと私は思う。

だって、彼が交渉する以前の米国では、北朝鮮の邪悪性が喧伝され(これは北朝鮮か

ら米国や日本を邪悪と見てるのと同じパターン)、公然と、金正恩委員長の暗殺作戦

が語られたり実際に攻撃計画がされたりしてたわけで、それに危機感を持った金正恩

委員長側が核や大陸横断ミサイルの開発を誇示して牽制するのは極当然のことなのに、

北朝鮮がミサイルを打ち込んで来る、ってあり得ないデマを出して騒いでたのがわが

国の政府であり、今後の危険回避のために早めに攻撃しちゃうのも手、ってような乱

暴な考えを支持する日米の軽薄識者もけっこういたのだから。

トランプさんのえらいところは、会う人間について先入観や勝手な正義感に縛られず、

じっくり観察し、納得すればその人間性に信頼をおける、ってところで、北朝鮮に対

しても頑に強圧的に出ることは封印して、時間がかかってもじっくりと話し会って行

けばいい、軍事攻撃をすることに益はない、って確信してるとこなのだ。

平和政策にとって一番重要なことは「戦争はしない」ってことなんであって、とにか

く平和交渉が第一で、それに最善の骨を折ることがいつも先であるべきなんだから、

それを忘れてやってるような世界の軍事行動は全て間違いなのだ。

だから、彼が言う、金がかかるから、って中東からの米軍撤退方針や北朝鮮や中国を

ただ刺激するだけの大規模米韓軍事演習の取りやめなどは良い政策だろう。

軍事行動を勧めるような周囲の雑音に耳を貸さずに、毅然と平和交渉に積極性を示す

トランプさんには冗談ぬきでノーベル平和賞を与えてもいいぐらいなのだ。


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