10/21のしゅちょう
            文は田島薫

(危機管理の基本、について2)


前回、個人レベルでの危機管理について書いたんだけど、今回は国や自治体レベルで

のそれについてちょっと感じたことを。

今回の大型台風では、断水した神奈川県山北町へ町が県を通じて要請するかもしれな

いと伝えられた自衛隊の給水車が独自判断で到着した時、県は自分の方で給水車派遣

可能だから要請不要としたため給水を待ってた住民を前に給水せずに引き返す、って

ことがあった。

たしかに自分らで解決できるものをすべて自衛隊に頼むより、同時にそれをより必要

としてる場所に回す方が公平、って判断もあっていいだろうけど、現場にすでに到着

しちゃっててそれを必要とする人々がいるなら、給水しちゃったって支障はないだろ

う、また新たに遠方から給水車を派遣させるより効率的だろうし。

こういった連係の不備が起るのは、このような災害時に救済される側にとって何が一

番大事か考え現場の柔軟な判断を認めるような法整備不足や、法令順守第一で、責任

追求されることは避けたい、ってような役人根性が働くせいだろう。

だから、こういった災害などの事態は予めシミュレーションしておいて、地方自治体

役人個人にいたるまで、迅速で柔軟な対応ができるようなシステムを作っておくのが、

危機管理の基本なのだ。

こういった事前の綿密なシステム作りと現場の柔軟な裁量判断を許す法整備を徹底す

ることが全てなのに、わが国の安倍自民党政権はこういった自然災害のようなことが

続くと、環境整備の不備の人災の部分は問題にせず、そういったことが起った後で、

被災者への支援や復興に全力で対処します、などと言い切ってはさほど全力を示さず、

オリンピック誘致などの目前の金かせぎの方を重視してるようで、将来のこういった

災害などの対応については、さほど熱心ではない模様で、福島原発事故が起きた後も、

数年前に10数メートルの津波の可能性を警告されてたことを無視し、想定外の震災の

せいだなどと主張する電力会社と一緒になって各地の原発再稼動も続けている。

そして、さかんに災害後に緊急事態法どの必要性をちらつかせたりするもんで、考え

の足りない人々の中には、そりゃ、そういった法律があった方がいい、などと言い出

す者も出て来るのが安倍首相にとっては好都合なのだ。

だって、安倍首相が作りたい緊急事態法は天災なんかよりも、北朝鮮などの脅威を強

調して米国と軍備拡張に励めば経済はよくなるし、戦闘などの緊急事態になれば自分

ひとりの判断でなんでも決められる、って考えているのだから。もちろん首相自身が

戦争を賛美してなくても、自己過信の独裁にはいつも暴走する危険があるのだ。


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