6/18のしゅちょう
            文は田島薫

(米朝会談、について


トランプ大統領と金正恩委員長との会談は平和的に終わり、強硬主張の衝突の末決裂、

米軍の軍事攻撃に北朝鮮の捨て身の反撃が、といった最悪の悪夢の事態はとりあえずま

ぬがれたようで一安心、ってとこなんだけど、まだ、わが国にも危機感に鈍感な層が多

くいるようで、進歩的と思ってた新聞社説などにも、朝鮮半島の非核化のプロセスに具

体性がないなどと批判的に言い、米国の安易な妥協によっては日本は北朝鮮からの危険

に取り残される怖れがある、などと言ってるのがいた。

安倍自民党のように、北朝鮮に対しての妥協なき最大限の圧力を、ってことばっかり、

なんとかの一つ覚えのように、いろんなとこへ出かけちゃオウムのように叫んでるうち

に、金正恩委員長と韓国の文大統領、中国の習近平総書記、ロシアのプーチン大統領と

の意見調整やらをバックにした主張の正当性も認めざるおえなくなった米国政府の方も、

暗に非公正性を指摘されてる中での軍事行動の強行はさすがに難しく圧力1本では展開

が行き詰まることに気づいたようで、即時核廃棄の要求は取り下げ平和的交渉優先、段

階的解消に妥協してったのだ。

こうなってくると、安倍自民党もそれに従わざるおえないわけで、それはハナからその

方がよかったことだし、平和憲法のわが国の方が韓国や中国より前にまっ先にその路線

を主張する方がよかったのだから、世界から順次判断の遅れをとってる現状なのだ。

そこへもってきて、今だに、前述のような的外れの北朝鮮脅威を言い続けてる人々は危

機ってものの本質をわかってるんだろうか。

なんとしてでも避ける必要がある重大要件は、戦争、なのだ。

それが、損傷が相手国だけで済むならあってもいいんじゃないか、って少しでも考えた

らもう、それは識者としても人間の誇りとしてもアウトなのだ。

ところがそれが起こりうる条件としては、相手国を、悪、ってとらえた時で、その気分

は弱い人間にいつでも起こりうる感情であって、少なくとも政治家はそういった弱い感

情に流されてはだめなのだ。

先日のテレビでは、金正恩委員長の父の金正日総書記が日本映画の「男はつらいよ」が

好きだったから息子の金正恩委員長も多分好きなはず、って話が出た時、拉致をするよ

うな悪い国の者にそんなこと信じられない、って言ってた者がいたんだけど、その彼は

戦時中のわが国が朝鮮の人たちにしたことについて何も知らないんだろうか。

戦争になると多くの人の心が荒み鬼にも変わるのだし、北朝鮮はいまだに戦時中なのだ

から、早く、豊かで平和な世界の一員になってもらうのが一番いい外交政策なのだ。


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