11/12のしゅちょう
            文は田島薫

(自分の失言への後悔、について


今朝、家人から、あ〜あんなこと言わなけりゃよかった、って思った時に私はどうす

るのか、って聞かれたんで、私だってそうだし、これは多くの人々にとっていつでも

起きてる永遠のテーマかも、って思いながら出したとりあえずの方法のご披露。

その前にそれを聞いた時にすぐに連想した話を、「ほぼ日刊イトイ新聞」ってサイト

で不定期に連載されてる、ながしまひろみさん、って人の4コマまんがで、お母さん

と2人暮しの小学生の女の子が、夕飯を食べてて、お母さんが、あんたの大好きなハ

ンバーグだよ、って言ってるんだけど、女の子はなぜか泣きながら食べてて、全然お

いしくないよ、って言うんで、お母さんがどうしたのか聞くと、きょう学校で親友の

なんとかちゃんにひどいことを言ってしまったんだ、って。じゃ、謝ればいいじゃな

い、ってお母さんに言われ、電話してあやまってる4コマめ、少し安心した表情で。

そう、すぐに謝ればいいんだ、ってことでおしまい。

ってそれができればほんとにそれだけのことなのに、そう簡単になかなかいかないの

が大人になったわれわれの難しいとこなのだ。

それに、そういった失言、ってそれなりの経緯、ってもんもあるし、ただの冗談のつ

もりだったりでそれほど相手を傷つけてる、って全く気づかなかったり、言った時に

正直な自分の気持も含まれてて、すぐに失言で相手に悪いことをした、って結論がは

っきり出にくくて、自分の方の正当化の気分も出たりで、あれこれ迷ったりもしてる

うちに時間が経ってしまう、ってことも多々ありそうで。

だから、そういったこと、って頭の隅にずっとひっかかってて、ずっと考え続けてる

うちに色々な経験も経て、他人の気持を理解する力がついてきた時に、よりはっきり

と自分の失言に気がつくんだけど、もう遥か後の祭り、ってことに。

それでも、そうやって、ずっと他人の気持のことを考えることができる、ってことは

悪くないことじゃないか、って私は思うのだ。だって、あきらかに他人を傷つけてる

ことに全く気がついてない、ってことより次の進歩があるわけだから。

だから、本当に相手を傷つけてしまってる、って気づいた時は何年経っていようと、

すぐに謝るのがベストだろうけど、実際にそういったことって、相手が本気で傷つく、

ってことよりも、なんて酷いことを言う人なんだろう、って嫌われるだけのことの方

が多そうだから、相手を傷つけてしまった、って思えたら上等で、嫌われてしまった

ろう、ってことに重心が行きがちなのかも。

まあ、もう会うこともない人にずっと嫌われててもそれはたいしたことではないだろ

うし、もし、なんかで会う機会があったら、そこで謝るのもいいことなんだろう。


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