10/29のしゅちょう 文は田島薫
(本田宗一郎さんのえらさ、について)
つい先日、中央省庁が率先して障害者雇用率のつじつまあわせのための不正水増し報告
してたことが報道されてたんだけど、それ以前から政府関係の類似の不正の例は続いて
るわけで、それに足並みそろえるように、民間大手でも近年立て続けに自動車会社など
の機能データ偽装が発覚してるのを見て、今の日本経済の縮図を見てるようだ。
安倍自民党が経済成長第一を謳い、経済がとりあえずよく回ってることをよしとする考
え方には一理あるのかもしれないにしても、やってる政策には表面的な数字上のつじつ
まあわせがさかんに行われてるようだし。
それほど目くじら立てることはないじゃないか、ほぼ問題なくそれなりのクオリティの
製品作りをしてんだし、って言う企業はたくさんあるんだろう時、それじゃだめなんだ、
って言ってる企業も多分中小たくさんあるはずで、そんな時、いつも思うのは本田宗一
郎さんのリーダーシップだ。
彼は高等小学校卒の後、自動車修理工場勤務後、独立し結婚もし30才も過ぎてから必要
を感じ高等工業学校の聴講で勉学した努力のエンジニアで、自動車開発に情熱を持続し
40才で本田技研を設立、2年後それを株式会社にし丈夫で高性能な2輪スーパーカブ(私
も親父のお古を高校時代から数年愛用しずっと動いた。その後でかいオフロ−ド2輪も
ホンダのを買い10年ぐらい毎日さいたまと東京の通勤と仕事の移動にも乗った)や同じ
くかっこよくて丈夫で高性能な小型4輪N-360などを開発。
50年ぐらい前、自動車の排気ガス公害が問題になってた時、コストの面からも排気ガス
をこれぐらいきれいにできたらもういいんじゃないか、って言う社員に彼は妥協を許さ
ず、徹底開発を命じ、画期的な自動車の低公害CVCCエンジンを開発した。
本田宗一郎さんはその後死ぬまで偉ぶることはなく、社員の現場労働者とも対等に話を
し、若者からも教えを乞うたそうだ。
彼の信念は、製品はあくまで親切であれ、ってのや、安全は生産に優先する、ってのが
あるようで、消費者にも社員にもその命を第一に考えてたのだ。
彼の精神を生かした青山にある本田技研の本社の17階ビルは、角が丸くなっててどの窓
にもバルコニーがあり窓が1.5m道路側から引っ込んだ位置にあるんだけど、それは車の
みなさんが交差点をよく見渡せるようにだし、地震などで窓ガラスが落下させずに歩行
者のみなさんの安全を守るため、だって。