2/20のしゅちょう 文は田島薫
(金正男暗殺、について)
どうやら北朝鮮の金正恩の指示で腹違いの兄は殺されたようなんだけど、自由らしき身にな
って世界を歩き回り見聞をした正男と何度か親しく接したことのある記者はその見識の広さ
に感心したらしいから、われわれの持ってたイメージと実際の彼とは大分違ってたようで、
なんだか、意外なことに私も彼に同情を感じたり残念な気分にさせられた。
同じような血筋を持っててもその環境によって違った考え方や人格が作られる、ってことな
んだろうと思うと、一方の正恩の方さえ、一方的にとんでもない悪いやつだ、などと非難し
て済ませられない、環境の必然があるんだろう、ってことになる。
国民の生活環境に多くの不足があり、それへの批判や武装反乱や暗殺の可能性が常にあるよ
うな不安定な政治体制の元で政権を持った者はその維持のために、疑心暗鬼になるわけで、
権力側もいつも暗殺などの危険を回避しようと、先手を打つ、って恐怖政治の連鎖、ってこ
とになるわけだから、どんな国にあっても、政権者が自分のことより徹底した国民の福祉第
一にする政治を行うか、早急に民主政治に移行するのがいいのだけど、食料さえ充分ではな
いような状況では時間がいるのだし、豊かな先進国はそれを充分に援助することをして行く
ことが一番いいことなのだ。
ところが、自分たちの同様な過去の行状は棚に上げ、プライドを傷つけるような蔑視や敵視
や糾弾ばかりやって、核開発やめろ、ってようなことばっかり言って、正恩さんにとっては、
一番気にかけてる政権の安全保証についてはうやむやにされてる日米のような対応では、核
開発を止めたとしてもいつ軍事攻撃されるかわからない、って恐怖感がぬぐえないのだ。
だから、非難や断罪や経済制裁なんかいくらやっても逆効果なんであって、日米は政権の安
全を保証した上で北朝鮮国民の全員が豊かすぎるぐらいになる経済援助すれば、もう正恩さ
んだって核武装の必要もなくなるわけで、民主化はあっと言う間に実現するはずなのだ。
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