(旅、について)
旅、って言葉にはたいていの人が、尽きぬ憧れのような感情を持つんじゃないかと思うん
だけど、それはどういった理由なんだろう、って考えると未知の場所やそこに暮らす人々
に出会うことで新鮮な刺激が得られる期待があるからだろう多分。
それは老若男女共通だとしても、私のばあい若い時ほどそれについての興味が薄れてきた
気がするのは、多分、これまでの多少の旅体験やテレビなどの情報で旅に出かける前に、
行った時の感想の予測が立っちゃうことも大きいようだ。
そんなこと言うと、そんなことはない、行くと全く予想とは違った感動があるのだ、って
たいていの人間は言うんだけど、多分まだ未知の好奇心が健在のためだろう。
そう言う私だって、家人に引張られて海外旅行にでも行くと、それなりの新鮮な感想を持
って味わうことはできるんだけど、様々な手続きやら食生活のリズムをこわされるなどの
デメリットも多く感じてしまい、さほどその価値を感じないのだ。
ま、内外の旅行も何度か体験すると、どこも似たり寄ったりなわけで、ただぼーっと、景
色ながめたり温泉に入ったりも、さほど新鮮な感じはしなくて、ただ、あ〜、安楽だな〜、
ってぐらいのことになってしまうようだ。
多分、旅をすごく楽しむ人は、旅の中でなんらかの自分の追求したいテーマがあるんだろ
う。名所旧跡の歴史探索が好きとか、各地の温泉や旅館の探索とか、文学や映画に出てき
た場所探索とか、現地の音楽の鑑賞や探索とか、その他。
あえて言うと私の場合、海が見える気持のいいテーブルでビールを飲む、ってことができ
る場所があったら海外もいい、ってぐらいで、だったら、国内でもいい、ってことになり、
わが家でもいい、ってことになったり。
けっきょく、旅を楽しむには自分の精神的な内容充実が基本、ってことになりそうで、そ
れをしてるうちに、どうしてもこの場所へ行きたい、って気持になるのかもしれないし、
非日常の気分を味わえればいい、ってことになれば、地元のどっかの路地のすみにある店
を発見してそこでビール飲むだけでもそれが果たせるのかも。
最近事情で早起きして、今までトイレの前などの閉ざされた空間でやってた体操を庭でや
ってみたら、雑多な潅木の裏から射す朝の光と空気の中、新鮮な気分になった。これは自
分にとってはひとつの旅の発見のような気がしたのだ、が。 |