8/8のしゅちょう
            文は田島薫

常識論で嘲笑するタイプ、について


先日録画しといた「朝まで生テレビ」を見たら、昨今の安倍自民党の暴走で、知識人たち

は挙ってそれの危機について語ってるんだろうと思いきや、100年一日のごときパターン

健在で、共産党や議員減少の民進党党首がその危機を語ると、保守党議員が反論をする形。

自民党や公明党が安保法制について支持して反論するのはいつものことでわかるんだけど、

まだ若い学者とみられる自由意志で考えることができるはずの女性論客らがそれをしてる

のを見て、軍拡論者で近年亡くなった頑固じいさんと世代交代したかにも見えた。

日本はまだ言論の自由が生きてるはずで、いくら若いからといって反体制にならなければ

いけないわけじゃないんで、何を言ってもいいんだけど、その自信たっぷりに、野党らの

言説を鼻で笑うような態度の根拠を思うと、人々がつい陥り勝ちな危険を感じた。

その根拠は、世界はイスラムテロやら北朝鮮やら中国の脅威にさらされてて、日本も米国

の核の傘や軍事同盟に守られる必要があり、現に米国と軍事同盟を結んでいるということ

は、すでに集団的自衛権を行使してる、ってことのわけだから、それがいらない、って言

う話は現実を見てないごまかしであり、海外に出て行く自衛隊員を危険にさらすことだ、

っていったことがそれのようで、それを聞けば、その通りだ、って感じる人もいるだろう。

ところが、この根拠自体に隠されたより重大なごまかしがあるのだ。

それはなにか、って言うと、現代世界の軍事的危機状況は、老若男女の保守論客たちが言

う敵がいるせいではないのだ、その敵がどうして出現したかを考えてみればわかることで、

日本も支持しつづける米国側のアフガンやイラクへの軍事行動が元凶なのだ。われわれが

敵と見てる相手の立場から見たら、われわれが敵そのものなのだから、その状況をうのみ

にした現実黙認発想での発言や軍事活動は、戦争終結よりも逆に働くだろう。

たしかに野党の主張のように現実に進行した日米関係や軍事演習などを支持したまま安保

法制に反対すれば、それは日米関係に波風が立つかもしれないし、米国に守ってもらうけ

ど米国が敵に攻められた時、日本はそれを助けないのか、って言われて恥ずかしい、って

思う気持もわからなくはないんだけど、そういった仲間うちだけで通用する心遣いのよう

なことをたっぷりやりながら多くの自他の命を奪い続けるのが戦争なのだ。そんな浪花節

のようなこと大事にしてるうちに世界が破滅に向かうなら本末転倒だろう。

とりあえずわが国は米国の核の傘に守ってもらうけど、実際の軍事行動には後方支援を含

めて一切参加しない。その代わり、盟友米国の慧眼の先輩と協力して創った理想的平和憲

法を順守して、その理想を世界に広げるために粉骨努力したい、米国が関わる戦争におい

ても平和解決の仲介を率先して行う、って言ってそれを実行すればいいのだ。それじゃ、

もう核で守ってやらない、って言われたら、それでいい、って言えばいいし、心配なら、

いっそのこと中国や北朝鮮にそれを頼む、って手もある(ここでだれかが嘲笑?)。




戻る