8/22のしゅちょう 文は田島薫
(核兵器の先制不使用、について)
オバマ大統領が核兵器の先制使用を禁止する宣言を検討中らしいんだけど、先日訪米した
安倍首相がハリス太平洋司令官に、それに反対の意向を示した、とワシントンポスト紙が
報じたのを、安倍首相は帰国した空港で、そんな話は全くしてない、と否定した。
たびたび前言を平気な顔で翻す首相のことだから、信用はできないんだけど、一応首相の
言うことを信じたとして、じゃ、逆に首相はその禁止を支持する意向は示したことがある
のか、って言えば、だれもそれを聞いたり読んだりしたことはないようだし、もう以前、
すでに、首相のその禁止反対の意向を新聞で読んだことがあるから、米国で自分の口から
反対である、って言わなかったとしても、その情報を知ってる米司令官がその筋道で話を
すすめた可能性の方が現実的だろう。
問題は、オバマ大統領と広島で平和遂行共同宣言的演説をしておきながら、オバマ大統領
の禁止宣言に率先してはっきり示すべき賛成の意志を示さないことなのだ。
核兵器の廃絶を目指してる国が先制使用を禁止しない、っていうのは、とんでもないイン
チキな態度であって、大の大人たちがそんなことやってるんじゃ、何百年経ったって核廃
絶は無理だろうし、核戦争の危険さえ増すことだろう。
だって、おそらく安倍首相が一番恐れてる北朝鮮の核保有は、北朝鮮が米国からの先制核
攻撃を恐れる理由が大きいはずなのだから。北朝鮮こそ(核兵器に限らないだろうけど)、
米国から先制攻撃はしない、って保証が欲しいのだ。
それがいつでも勝手な理屈で先制攻撃できる、って米国が宣言してるとなれば、追い詰め
られた北朝鮮は、じゃ、こっちから先制核攻撃だ、って可能性も出て来るはず。
先制使用と先制攻撃は違う、先制攻撃は平時でも起きるけど、先制使用はすでに戦争が始
まってて、負けそうな時に使うことだ、って言ってる人もいるんだけど、それなら、それ
は米国にとってより、北朝鮮にとってより現実的なもんになるだろう。
核兵器の先制使用を禁止したら、抑止力が低下して、例えば北朝鮮が先に米国や日本を攻
撃して来る、って心配する政治家がいたとしたら、どれほどの知能レベルなんだろう。
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