7/19のしゅちょう 文は田島薫
(安倍政権報道の危険性、について )
バングラデシュテロの時各国の主脳によるコメントはどれも断固「非難する」ものである、
ってような表現だったのが、安倍首相のコメントは例によって、そういったテロは決して
「許されるものでない」、って表現だった。一見どっちもたいして変わりがないように聞
こえるんだけど、「非難する」方は立場はどうあれ「それはよくないと思ってます」、っ
てニュアンスがあるのに、「許されるものでない」って方は、言ってる自分は正義の側だ、
ってはっきり言ってるのと同じなのだ。それだと、日本が追従していた米国のイラク攻撃
や今現在行われてて市民も犠牲になってるシリアなどへの空爆は「許されるものだ」って
ことになるわけで、安倍首相も多分そう信じてるのかもしれない。
ところが、今や良識ある欧米の識者たちは口をそろえてイラク攻撃は間違いだった、って
言ってるわけだし、現在のシリア空爆についても苦渋の選択の面があり、拉致されたジャ
ーナリスト救助のためにはISとの交渉もするし、対象を「悪」って決めつけることに関し
慎重になってるはずなのだ。ところがわが国の安倍政権は違う、そんな悪とは交渉しない、
って言い切って、何人もの同胞ジャーナリストだって見殺しにしてるのだ。
常に自国の正義を意識しすぎれば、非難される方の対象国などの反感を当然買うわけで、
安倍政権が防衛上の危機を叫ぶたびに却って周辺の危機を高めることになってるのだ。
そんなこと言うと、自国の正義を叫ぶのは中国や北朝鮮の方だ、って安倍政権は言うんだ
ろうと思うんだけど、安倍せんせい、ちょっと冷静に世界を眺めてみよう。
近世で北朝鮮や中国へ攻め入ったのはわが国だったんだし、逆じゃないのだ。どっちの国
が自国防衛により危機感を感じてるかは明らかだろう。
中国が南シナ海に基地とかなんとか大騒ぎ報道してるけど、第一、このほど安倍政権がよ
り積極的に軍事行動をともにすることを世界に表明した米国はすでにアフガニスタンやイ
ラクを攻撃した後も標的を探して、ミサイル積んだ軍艦を中国や北朝鮮近海をうろうろさ
せて、日本や韓国と合同軍事訓練までやってるのだ。
それはたとえば米国フロリダ沖にミサイル積んだ中国軍艦がうろうろした時、平等、って
ぐらいのことなんだし、人工衛星ロケット実験なんかばんばんやってる米国や自分の国の
ことを棚に上げて、北朝鮮のそれを、やれ日本海にミサイルを発射、遺憾なことだ、って
大げさなこと言ってるのは、北朝鮮や中国から見たら、ふざけんな、ってとこだろう。
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