3/28のしゅちょう
            文は田島薫

正論の危険性、について


この夏の参議院選に安保法制廃棄を目的に野党連合が進んでいるのを私は支持し

て、是非野党が多数を取ってそれを実現し、先に控える安倍自民党の憲法改変も

阻止してもらいたいと思ってるんだけど、しぶとい自民党支持者もまだいるよう

だし、政治思想の自由なんて呑気に言ってればいいような国際状況じゃないんで

聞く耳持たない人にも、一応問題点をはっきり言っておきたい。

前に何度も書いてることなんだけど、国際テロや北朝鮮などの軍事脅威があるか

ら戦争をしないと謳った平和憲法を変えて、軍隊保持も明示して戦闘も自由にで

きる国にする、って言ってる安倍自民党、これを支持していいのかどうか。

先日の新聞の読者コラムでも、60過ぎのリタイヤしたらしい人物が、憲法改正に

賛成だ、って軍隊を持たない、って憲法で謳ってるのに現状では軍隊と同じもん

を自衛隊、ってごまかして言ってるのをやめて、はっきり軍隊、って言った方が

すっきりして気持いい、って、これは過去何十年も口々に言われては、そうでき

なかった事情がある意見で、話としては筋が通っているように聞こえるから、賛

同する人も多くいて不思議はない。

ところが、その筋だけが正論でもだめなのだ。なぜかと言うと、日本や世界にと

って「一番重要で価値がある平和憲法の本質が失われてしまう」からだ。

なんだか軍隊好きの首相が出るまでは自民党の歴代の首相たちでもそれをきっち

り押えていたから戦後ひとりの戦死者も出さずに済んだわけなんだし。

そう言うと、他の国の軍人たちが大勢死んでるのに、わが国だけ身の安全を保つ

だけでいいのか、って言い出すのが出て来るわけなんだけど、それを言う人物は

たいてい自分自身が前線に出て命をかけるつもりはないことが多い。

イラク戦争の時だって、かかってこい、などと勇ましいこと言ってた大統領はい

つも安全な場所にいたんだし、ほんとはできればどこの国のだれだって死なない

で幸せに暮らしたいはずなのに死ぬのは、正論で送られた軍機なんかで爆撃され

る一般市民の女子供や、貧しさから軍隊に志願した下級兵ばかりなのだから。

テロを起こすイスラム国(IS)に参加する若者だって貧しい不遇な環境や差別か

らの怒りによることが多い、ってことなんだから、空爆などの軍事力で押さえ付

けて恨みや仕返しの悪循環を続けるより、もっと賢い外交政策で平和な世界づく

りできる可能性が大なのは、理想だ空想だといくら言われようが、どこの「敵」

でもない平和憲法を持ったわが国だけなはずなのだ。




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