1/25のしゅちょう
            文は田島薫

自由の危機、について


中国経済が下降して、1年前にはニコニコ顔だった中国の投資家や企業人が絶望的な

表情で嘆いてる様をテレビで見た。大体、自由主義経済ってもんはこういったことを

繰り返して来たわけで、ふつうのことのはずなのに当人たちは、調子いい時には、ダ

メになる時のことは考えないようにしてる傾向があるようで、その時になって、そう

いうこともあったんだ、ってことを思い出すのだ。

これは政治についても言えるわけで、常に豊かで平和な世界を目指して、各国の政治

家たちも努力してるはずなんだけど、過去から現在においてもどっかしらで戦争は続

いてて、それに直接国土に被害がないうちは他人事のようにみんな考えて、自分たち

の平和な生活が守られてれば安心してるんだけど、これが、世界とわれわれはつなが

ってて、われわれは不幸な自国や他国の人々に対してもそれぞれ多少の責任があるの

だ、と自覚して少しは自分の頭で「公平性について」考えてみる方がいいのだ。

そうすれば、今の政権がやっていたり未来にやって行こうとしてる方向性が見えて来

るはずなのだ。

まず、現政権は、自国の経済発展のために自国や他国の人々にもたらされる危険の可

能性については目をつぶってもいい、って考えていること。と、言うと、そんなこと

はない自国や他国を脅かす敵に対する防備のために軍事同盟や武器輸出をするのだ、

って言うはずなんだけど、その敵をつくる発想がもうだめなのだ。敵の敵は自国なの

だから、近来でもそんな軍事発想で戦争が止められるより、余計な戦死者が出てる現

実を見ればすぐにわかることのはずなのに。

その間違った発想の上に、憲法改正して、政府が自由に国民を動かすことができる緊

急事態法などを強化して、国民の自由を奪おうとしてるのだ。そう言うと、だって、

危険な他国から攻撃を受けた時に、指揮権を1本化しなければ混乱するだろう、って、

言うはずで、ぼーっと聞いてると、そりゃそーだ、ってだれもが騙されるのだ。だい

たい北朝鮮などが日本を攻めるなんて状況はそう考えられるもんじゃないし、万が一

そんな状況になれば、指揮権の1本化なんてことは手後れな間抜けな話で、そんなこ

とにならない外交に全力をつくせばなんとでもなることなのだ。その理由よりももっ

と現政権が夢見てるのは、国民を思うまま操作すること、ってことになりそうなのだ。

だって、その根拠さえあいまいでも、政府が一旦そう感じて判断すれば、どんな国民

でも留置していいことになったりすること。それは無自覚に善意で行われることかも

しれないんだけど、国民を統制して国内外の敵からの危険を回避するためだ、って言

うことになれば、だれもそれを批判できないし、もちろん批判の自由もなくなる。




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