9/21のしゅちょう
            文は田島薫

(自民党の歴史的失政について)


このほど、なんとか正気に戻る自民党議員が増えてくれないか、って祈りも空しく、参

議院でも集団的自衛権を認める安保法制が強行採決された。

戦争には参加しない、って断言し歴代の自民党政権でも守り通してきた平和憲法、70年、

対外的にも国内的にも戦闘においての死者をひとりも出さなかったそれが、安倍政権に

よって骨抜きにされることが決定された。

安倍首相はかつて祖父にあたる岸信介が反対デモの中、日米安保条約締結した時のイメ

ージを自分に重ねて安心してるのかもしれないんだけど、その時と状況は本質的に違っ

てることに気がついてないのだ。

そう言うと、そんなことはない、もちろん私はわかってる、って安倍さんはすぐに反応

することだろう。中東でも日本近海でも軍事的脅威が増してるのだ。今までの個別的自

衛権だけでは危険なのだ、米国との軍事協力が是非とも必要なのだ、って言うだろう。

そう信じてしまうところが、安倍首相が尊敬する岸首相とも歴代の首相とも違ってて、

短絡的判断をしている自覚がない、って言わざるおえないのだ。

だって、岸首相は日米安保は進めたし憲法改正も望んでたとこまでは同じかもしれない

んだけど、あくまでも日本の主体性と地位の確保に努力や米国との交渉したんであって、

米国の意向よりも先に気を回して自ら子分のような振舞いはしなかったはずなのだ。

それでも世界情勢が紛争の危険に満ちてる、って感想から、根が人当たりいい安倍さん

米国の国防相などの意向をぐんぐん理解して行ったんだろう。

岸首相が愛国的独立性に走ってまた憲法を軍事色に変えて行く希望があったんなら感心

はできないんだけど、少なくとも平和憲法は守ったのに比べ、安倍さんは平和憲法を読

み替えで無視した上、事実上米国の手下になろうとしているのだ。

そう言うと、そんなことはない、日本と米国は対等の立場で世界平和のために協力して

行くのだ、とかなんとか言うはずなのだ。

ところが、言ってることはいつもきれいごとで正しいように聞こえるんだけど、実際は

過去の中国侵略も本心では認めたがらないし、米国のイラク攻撃についての総括もきち

んとされてるようには見えないとこ持って来て、また、イラク攻撃のような状況になっ

た時いつもいつでも、米国の要請にきちんと、ノー、って言えるだろうか。

安倍さんには岸さんを超えるチャンスがまだあるのだ。それは集団的自衛権のようなこ

とを言い出すような米国の手中に乗らないで(安倍さんの育ちのいい性格からは難しい

ことなんだけど)、集団的自衛権はやっぱり問題多数と廃棄し、平和憲法厳守に戻り、

全力の平和外交で世界じゅうの調停役をする、ってことができた時だ。




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