4/28のしゅちょう             文は田島薫

(集団的自衛権について


田原総一朗司会の朝まで生テレビで集団的自衛権についての討論を漠然とだけど見た。

相変わらず、中国や北朝鮮の脅威に対する防御として是非とも必要だ、って立場と、

アジア周辺国から見れば日本こそが脅威でありその緊張感を増幅するだけの愚挙だ、

って立場の対立だった。で、私は後者を支持したい。

集団的自衛権擁護派の言い分をぼーっと聞いてる国民の中には、そりゃそうだろう、

って同調しちゃう人もけっこういるんじゃないか、って思う理由は、その発想の情緒

的な説得力によるのだ。たとえば、日米同盟で軍事的に日本を守ってくれてる米軍と

行動を共にしてる自衛隊が、例えばその米軍が攻撃されてピンチになって負けそうな

時にも、自衛隊は敵に反撃して米軍を助けることができないでいいのか、ってような。

少年漫画かなんかのように、例えば、海上にいっしょに並んで浮かんでる日米の戦艦

の米軍艦の方にだけ攻撃をうけて、それに反撃する自衛隊、ってような絵をイメージ

するとすると、そりゃ助けなきゃ、って男気のような感情が起るかもしれないんだけ

ど、ちょっと待ってみて、そんな状況が果たしてありうるかどうか考えてみれば、馬

鹿げたことだとわかるはずなんだけど、どうも、美しい強い日本作りに興奮してるら

しいわがリーダー安倍首相や支持者はまだそのことに気づいてない模様なのだ。

それでも、そういう話になると、そんなことは気づいてるし、実際にそれを活用する

状況はほとんどないけど、敵国の侵略に対する抑止力になることが大事なんだ、って

言ってるようで、そうすると、また、なるほど、それならいいじゃないか、って思う

国民もけっこういそうなんだけど、それは自国の独善的発想であって、そもそも、自

国の防衛のためだったら今のままの防衛体制で間に合うはずだし、すでに幾多の独断

先制攻撃の前歴のある米国と行動を一体化させる意志を示すことは他国から見れば、

日本がいつでも侵略さえする意志を持った危険な国、って見方をされる確率の方が高

く、敵対国の軍備拡大を増大させる逆効果になるだろうし、実際、自国の防衛だけの

ためだったはずの自衛隊の軍備で普通の戦争に参加することになって行くだろう。

自民党は、集団的自衛権を認めても、自国の防衛上に限ることで、使える武器を持っ

て戦地へ趣くことはない、って言うんだけど、現に、何度も中東などへ派遣されてる

自衛隊が、そういう形で米軍と行動を共にする、ってことになれば、武器で戦争参加

ってことになるだろうことは、その条件で起こりうる状況を少しでも想像してみれば

明らかなことなのだ。それを自民党一派は、どんなに激しい戦闘に深入りしても、そ

れは同盟国米軍の防衛を助けるためだ、って言って済ますつもりなんだろうか。

戦争放棄をうたう今の平和憲法を守って、そういう国として平和外交のみで活躍でき

るはずの世界でも独自で有力なわが国だけの利点を捨て去り、米国の軍隊の子分とし

て、そうなる前までは友好国であったはずの中東の国々などからも警戒心をもって敵

国転換の烙印を押されることが、果たして世界平和や、わが国の安全や防衛のために

本当にいいことかどうか国民は考えた方がいいのだ。




戻る