11/25のしゅちょう
            文は田島薫

(世界の不均衡について 2


安倍政権が衆議院解散を決めて、われわれ国民がその衆議院議員の勢力バランスを

決定できる好機が来た、ってことで野党や国民の大多数は喜んでもいいはずなのに、

どこか、その安倍首相の解散決定についての是非などといったことばかり取りざた

されてて海外の良識派からは日本国民は非常に不思議な国民だ、って見られてるん

じゃないかと思うんだけど。

これはわれわれ国民が長い自民党政治に慣れてしまい、自民党の国民意識操作にし

らずのうちに乗せられてることに気づかないせいなのだ。

一見人当たりやわらかな安倍首相が、景気は回復するから安心しろなどと言うのを

テレビなどで見たり、街を着飾って歩く人々や新車の走り回る光景などを見ると、

なるほど、日本は豊かで景気も悪くなさそうに見える、って感じる人がいたり、そ

うか、自分の暮らしは余裕があるようには感じられないし、子供の学費をかせぐの

に夫婦で日夜働かなくてはいけないのはきついけど、だんだん良くなる、って首相

が言うなら辛抱してみよう、って感じるかもしれない。

ところが、戦後国民全体が貧乏だったころから高度成長時代、働くほどあきらかに

だれでも少しづつ豊かになるのを感じられた時代と、今は違うのだ。

10年前より暮らしが楽になったって言う国民はどれくらいの率でいるだろう。

たしかにいろいろな電化製品にかこまれ、昔より便利になったかもしれないけど、

国家財政赤字が膨らむ中で、今や一部の大手正社員や役人など以外の所得格差は広

がり続けてるのが、だれでも知ってる客観的事実なのだ。

一番問題は、憲法で保障されてる文化的最低限度の生活さえおびやかされてる層が

増えたままほっておかれてて、それのセーフティネットとかの抜本的救済制度とか、

雇用構造の抜本的改革の同一労働同一賃金とかワークシェアリング政策などが緊急

に必要なのに、大企業優遇して、目に見える部分の景気回復の見せかけに精を出し

てるところに、将来性は望めないのだ。

この所得格差、って問題は、自由主義経済ではしかたないという見方もあるにして

も、機会均等といった大前提までが無視され、働く能力も意志もないのに法外な額

の既得権益が保護されたり、能力があっても生涯最低賃金のまま、といった矛盾状

況を迅速に改善していくことこそが本当の政治、ってもんだろう。

国内の弱者にも目を向けない本質無視思想がけっきょく世界の富の病的不均衡も生

み、例えばイスラムテロなどの原因とも言えるわけだから、それをきちんとやるこ

とで、軍備拡大など不必要な時代だって創ることが可能なはずなのだから。

集団的自衛権や特定秘密保護法や武器輸出解禁そのた諸々のこれでもかってばかり

の政策の危険性を顧みずにそれを遂行しようとする安倍政権は悪循環にはまってる

ことに気づいてないのだ。または気づいていて勇ましい日本をどっかで武力表現し

たい、って考えてるのかもしれない。

今回は、是非自民党への投票はやめよう、野党どこにでも、共産党でもいい。




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