10/14のしゅちょう 文は田島薫
(安倍自民党による国際評価期待の読み違えについて)
きょうの夕刊に、「慰安婦問題」に関して歴史社会学者の小熊英二さんが書いてる
ことに共感したんで、概略ご紹介を。
共和党系のヘリテージ財団による歴史問題シンポジウムで、ジャーナリストの小森
義久さんが、朝日新聞の誤報訂正を強調し、「日本軍による強制連行はなかった」
って述べたら、せっかく自分らが日韓関係の改善を図ろうとしてるのに、こんなこ
とをわざわざ、って不評だった、と。
この問題で国際社会の一部に誤解や単純化があるのは事実で、そういった誤解を解
こうとする人々が多いんだけど、効果は上がってない、と。
その理由を、冷泉彰彦さんがNEWSWEEK日本版ウェブサイトで「朝日『誤報』で
日本が『誤解』されたという誤解」で示してる、と。国際社会は「日本国」と
「枢軸国日本」は「全く別」だという前提に立っている、と。「日本国」は、サン
フランシスコ講和を受け入れ、国連に加盟した国で、「枢軸国日本」は、第二次世
界大戦を起こした国だ、と。
そうした国際社会の視点からは、「慰安婦問題」での「誤解」の解消にこだわる日
本側の姿勢は「日本国」の国際的立場の向上と無関係な「枢軸国日本の名誉回復」
にこだわる存在、日本は枢軸国の延長、というプロパガンダになり逆効果だ、と。
そして、「慰安婦問題」での「誤解」を解こうとしてる論者は「東京裁判」や「戦
後憲法」への批判も平行して行うことが多いんだけど、史実認識を訂正しようとす
る努力が「枢軸国日本の名誉回復」を伴ってたら国際社会では認められない、と。
それは「靖国問題」でも同じだ、と、そのまま集団的自衛権などの政策を進めれば、
そのために、国際的にも不信感を増大させるだけだ、と。
といったことが一部省略したおおよその概略なんだけど、たとえば、安倍首相など
もさかんに尊敬される日本に、ってことでいろいろと説明努力をしてる模様なんだ
けど、その根っこの部分の矛盾について解決できてないままの説明や行動は、いく
ら個人的良心に基づいてる自信があったとしても逆効果になってるのだ。
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