1/20のしゅちょう             文は田島薫

アントニオ猪木はえらい


日本じゅうの大部分が声をそろえて北朝鮮はとんでもない危険な国だ、って言い合っ

て、甘いこと言ったり優しく出るとなめられてしまうからやめた方がいいのだなどと

言ったりする風潮の中でも、北朝鮮の立場も考慮しながらその経済や人権改善に尽く

そうと、友好交流活動をし続けてる日本人の官民はいるようだ。そのひとりが元プロ

レスラーで参議院議員の猪木さんだ。

その一番友好の窓口だった北朝鮮の大幹部が実の甥であるキム・ジョンウンに処刑さ

れ、普通人なら、ああ、やっぱりこの国との友好は無理か、って手を引いてしまって

もしょうがないかもしれない時、そういった風潮同調事なかれ主義、自分の次回の選

挙でも当選できるように根回しや同調する、って事が自分の活動上一番大事なテーマ、

っていった大部分の議員たちの阻止もふりきり、こりずに北朝鮮へ出かける。

そうなのだ、猪木さんには、国境を超えた人間同士の信頼が一番大事、って信念があ

るのだ。あなたの国出身の力道山は日本じゅうのヒーローだった、私はその一番弟子、

だってことを誇りに思ってる、って言われた指導部を含めた北朝鮮の人々に、その猪

木さんに心を開こうと考えない者がいるだろうか。

政治的駆け引きも時には必要なのかもしれないんだけど、それの成功を保証するのは、

もはや軍事力の優劣ではなく、例えば国同士の首脳が心を通じあうことだろう、口で

はきつい事言いながら、目はちょっとウィンクして、おたがいの目的を確認して了解

しあう、っていった大人の交流。それが口で優しい事言って、やってることが敵対や

陰口、信頼のしの字もふだんは感じてない印象、ってことになるとだめだろう。

相手がどんな国だろうが官民問わず、交流はどんどん無制限にやればいいのだ。

だれがそれを止める、って言うのだ、どういう理由で、だって、拉致被害者返さない

から、このやろう、って怒って口をきいてやらない方がいいんだ、って?みんながそ

うした方がいい、って思ってるようだから、だって?




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