9/2のしゅちょう 文は田島薫
(シリア攻撃について)
シリアのアサド政権が反政府勢力に対して化学兵器を使用し、子供を含む千数百数十何人
を殺した、という理由でその施設に空爆することを米国やフランスが検討している。
一方アサド政権側は、反政府勢力のでっち上げだ、って主張してるわけなんだけど、そう
いった主張には米国らは耳を貸さない様子で、化学兵器所持は政府側だけだとか、化学兵
器使用前の政府側の通信を傍受してるだとかの証拠で確定してる、って言う。
この一連の動きはだれでもイラク攻撃の時と同じだ、って感じるはずなんだけど、その時
だって米国は、イラクが大量破壊兵器持ってることは間違いない証拠もある、って言って
攻撃し、結局そんなものはなかったのに、十何万という人々が殺されたのだ。
今シリアは反政府勢力と内戦状態にあって、この2年ぐらいの間にも、何万もの市民が死
んでて、それをなんとかしたい、って米国の立場もわかるんだけど、それを外部から介入
する、ってことになれば、相当な中立的正当性がなければならないわけで、少しでも自国
の国益誘導の理由があったなら、単なる自国に有利な勢力への加勢、ってことになり戦渦
を拡大させるだけ、って危険があるのだ。
どの戦争もたいていは、自国に有利な戦果を得たらすぐ終らせるつもりの攻撃側の局地戦
から始まるもんで、後になって、こんな泥沼化するとは思わなかった、ってパターンにな
り勝ちなのだ。
少なくとも、利害が異なる国が集まりそれを調整努力して行こう、って趣旨の国連がある
のだから、もし、シリアに非人道性を糾弾したいなら、それを説得させるだけの科学的証
拠を提示し、シリア政府自身にも自己弁護の機会を与え、説得なり仲裁なりの外交努力を
もっと徹底し、それでも理不尽な行動をするんであれば、結果、国連決議によって、初め
て、慎重な計画による制裁などをする、といった順序が必要なのだ。
それを、けっきょく、シーア派が勢力持てばイランと通じ、そうすると盟友のイスラエル
の立ち位置が危うくなるから、ってような自分らの利害からいろんな策謀をする層にはや
したてられて、つい独走してしまいがちのたてまえ正義の国米国を、落ち着かせるのは、
平和主義の盟友日本の安倍首相に課せられた使命かもしれないんだけど。そこんとこを、
安倍さん、よく考えて、本当の意味で日本を美しい国にして欲しい。
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