5/20のしゅちょう 文は田島薫
(とりあえず発言の危険について 2)
従軍慰安婦必要発言の真意はこうだ、って巷の非難に囲まれても、橋下さんさかんに強
きの弁解してて、なかなか根性はあるんだ、って感心するんだけど、その本当に言いた
かったのは「戦時には兵士の性処理をする女性が必要」「過去の戦時に各国がそういう
施設を作ったのに日本だけ非難されるのは不平等だ」ってことのようで、たしかに一理
ありそうに見えて、これはちょっと冷静に検証する必要がある話だ。
過去に各国がそういった施設を作ったとして、現在でも長期間男だけ拘束されてる場所
ではそういった女性が必要ってことが事実なら、恋人のいない独身の男たちはどうすれ
ばいいんだ。例えばわが国では現在、売春は違法ってことになってる。多分、橋下さん
は、売春じゃなくても風俗行って女性とお話やら軽いボディタッチやら、マッサージの
サービス受けた後オナニーでもすればいい、って軽い発想と、戦時にはセックスのサー
ビスさえ必要だった、ってふた通りのイメージを混在させて発言してるのだ。
橋下さんの心の中では、だれでもそう感じてるくせに本音を言わないし、日本だけ異常
な野蛮国にみられてることを、挽回したい、って、いわば愛国心による真摯なつもりの
発言だったんだろうけど、自分の認識に対する自信過剰と情熱の先走りで、穴だらけの
メッセージを送ってしまったのだ。
現実に必要、って言い切ってしまったものが、女性によるセックス奉仕、ってことを、
世界に発信してしまった失敗は、もっと謙虚に自己反省と修正をしなきゃだめだろう。
過去に行われたものを謙虚に反省して修正していく努力をしてるのが近代国家、っても
ののはずで、現実には数々の未解決の矛盾をかかえていた時に、それをなんとか人権の
自由や平等を実現しようとして沈黙してる場所で、王様は裸だ、って子供の眼で本当の
ことを言ってなにがわるい、って開き直ることに前進がある場合ばかりじゃないだろう。
人権がからむ問題に軽い発想で思いついたことをとりあえず言っちゃたら、たいてい失
敗するのだ。過去は過去、今から新しい発想を模索するのが優れた政治家だろう。
ついでに、一連の流れん中で、また石原老人が、日本は侵略はしてない、って言い切っ
てたけど、これも、自国の美辞麗句的目的に聞こえるような都合のいい部分だけ取り上
げて、他国民の意志を無視した行為には触れなかったら、その日本の行為に間違いはな
かった、場合によって同じことをしてもいいと考えてる、ってメッセージを他国に発信
してることになるんだから、われわれも本気で老人に耳貸さない方がいいのだ。
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