12/16のしゅちょう 文は田島薫
(特定秘密保護法の今と今後について 5)
秘密保護法をきっちり作らなきゃ国防や対テロに裸ってことになり、わが国が危険にさ
らされるのだ、って理屈は一見だれでも同意したくなる話の筋にはなってるんだけど、
これは安倍自民党の自己能力過信と短絡思考のせいだ、って前回で書いた。
そう言っても、疑心暗鬼、っていうように、一方的思考にとらわれると人の恐怖心はど
んどん増大していって、とりあえず安全のための準備をするに越したことはない、って
ことになり、各国で軍備拡張がエスカレートして行った歴史は世界の反省テーマのはず。
で、良識ある人々の運動が徐々に実り、情報の透明化が拡がるようになって来たわけだ
けど、インターネット通信などの普及で世界がその共有を広め、相互の考え方や習慣の
違いなどの理解も広まるし、一方、若者たちの間では万国共通の価値観も生まれた。
貧困撲滅運動やってるロックスターのボノによると、たしかこの10年の間にも貧困率が
半減ぐらいに急激に改善してて、今もそれが継続改善中で、それをやり遂げるか挫折さ
せるかはわれわれひとりひとりの意識のあり方がそれを決めるのだ、と。
世界はまだまだ不公平、不均衡で辛い生活を強いられてる人々の方が多いわけで、米国
やわれわれ日本人の貧乏人の生活でもそういう人々から見れば夢のようなレベルだった
りもするわけで、そういった差がどっから来てるか、ってことになると、それはわれわ
れが勤勉に働いたせいだ、って言えるかもしれないんだけど、世界は経済構造でつなが
っており、歴史的に、資源や労働を一方的に搾取され、貧乏なまま放置されてしまった
たとえば中東やアフリカ諸国の一般国民って立場もあり、現代のアラブ人テロリストの
発生原因にもなってるわけなのだから、搾取する側だった自分たちの責任を棚に上げて、
一方的に敵からのテロにおびえたり、「時には攻撃」したりしてても切りがないだろう。
今の時代一番大切なのはそんな時代錯誤の警戒政策じゃなく、だれでも知るべき情報の
公開と公明正大、平和的提言、開かれた外交の努力なのだ。
だって、かつて機密漏えいでなにか重大な問題が起きたことがあったんだろうか。
戦時中の日本軍の暗号はどうも連合国各国で解読されてて、それを秘密の建て前のまま
逆利用された結果、悲惨な太平洋戦争突入したようだし、大本営発表のうそがもっと早
く国民に知らされてれば、原爆も大空襲もなしに終戦になったはずだし。ベトナム戦争
の惨状をジャーナリストが伝えたた時、反戦運動が起き終結したんだし。沖縄返還の時
米国に金銭贈与した、って些末情報を隠す意味はあったかどうか。核持ち込み禁止をや
ぶって秘密に搭載船を寄港させた、ってのも漏えいしたからどうだったのだ。
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