(見返りを求めない心について)
テレビで北海道の若者ホームレスのドキュメントを見た。北海道の雇用情況は厳しい
らしくリストラに遇った若者などの再就職も大変で、そんな若者のホームレスも大勢
いるようなんだけど、そこで彼等を救済するNPOをつくった中年女性がいて、衣食住
まで親身な世話をして再就職を助ける活動をしていた。
そこでふたりの若者が牧場からの住み込みの職場を紹介され、NPOの主宰女性には牧
場は初めてらしく、先方の条件をそのまま伝えた。体ひとつで行けば、衣食住すべて
ただで、住居は20畳の3人部屋、時給7百なんぼ(法定最低賃金だ)を支払ってもら
える、ってことで喜んで出向いたところ、結果、部屋は4人になり、給料から長靴代
などを引かれていた。
最初の条件と違う、ってことでその若者ふたりは、その牧場を斡旋したこれもボラン
ティアで活動している中年男性に来てもらったところ、入って来るなりその中年男性、
口では、なんでも聞く、って言いながらあきらかに口調が興奮していて怒っている。
口とは裏腹に、ホームレスで困っていたところをみんなで助けてあげてるのに、衣食
住保証してもらって、この上なにが不満なんだ、って全身が言ってて、若者が条件と
違ってたことを口にするのをまともに聞こうとしない。最後には若者の言い分を受け
入れたものの条件の説明が不足してたことが問題だった、ってことで軽く謝罪しただ
けだった。
これは、その中年男性にとっては話自体は些細なことで、自分の方には筋が通ってる
んだから、自分を信じてクレームなんかをするべきじゃないのだ、って感じてたのか
もしれないんだけど、それだと、やはり、あんた傲慢ですよ、って言わざるおえない。
その中年男性は決してわるい人ではなくて、困った若者を助けてあげたい、って感じ
てるのは事実だろうし、証拠に、へそを曲げて出て行こうとした若者に、お願いだか
ら出て行かないでくれ、って言ったし、翌日にはトラブルがおさまった、って喜んだ
顔を見せていたし。問題は、自分がしてあげたことに、された方は無条件に感謝をす
べきだ、って多分信じてる点だろう。
人助けについて何千年も歴史のあるイスラム国や仏教国では金持ちが貧しい者に施す
のは当然のことで、貧しい者はふつうに必要なものを要求するし、施された者はお礼
なんか言わないのがふつうなのだ。 |