12/25のしゅちょう             文は田島薫

安倍政権の不安について

衆議院議員選挙で自民党が圧勝して公明党と合わせて3分の2以上の議席数を獲得

してしまったわけだから、衆議院の可決議題を参議院で否決し差し戻したとして

も必ず通ってしまうことになり、民主党がだめだったから今度は自民党に入れて

バランスを取ってみよう、などと安易な有権者の思惑は無力になるかもしれない。

自民党の基本的考えは、貧乏人は置き去りにしたままの景気浮揚第一主義、その

ためには原発はできる限り続けるつもりであり、戦争を経験しない世代でかつ、

生活の苦労を知らないおぼっちゃんである安倍晋三総理は、「美しい日本」がど

うのこうのって本を書いたように、先の戦争での日本の責任は過小に評価して、

中国や韓国などへの謝罪はもう必要ないぐらいの立場で、日本のプライドを高め

たい、って考え、そのためには、自衛隊も必要な時にいつでも戦える軍隊にする

ために憲法を変えたい、って考えているのだ。

そりゃ、そういった考えをむき出しの表現でするわけではなく、持ち前の育ちの

いいソフトな物言いでそれを言うと、よく話の本質を理解できない国民の多くは

それもいいのかもしれない、って納得してしまう危険がある。

自国が美しい自然と古くからの優れた文化を継承してきた誇らしい国なのだ、っ

て言われて悪い気がする国民はまずいないはずなので、そこを、用心しなけりゃ

ならないのだ。だって、その感情はわが国だけにあてはまることではなく、どこ

の国だって、イラクだってイランだって北朝鮮の国民にとってだってそのはずな

のだから、いや、そういった国は国民が悲惨な生活をしてるからそう考えるはず

はない、って想う人はこちら側のメディアに感化されてるせいなのだ。たとえば、

わが国だって餓死者がでるぐらい悲惨な戦時中だって、大部分の国民は愛国的な

意識に染められていたのだから。

わが国は他国にくらべてより優れて美しい、って考えそれを主張し行動した時に、

たいてい歴史で悲劇の戦争が起きてるんじゃないのか。

わが国は独自の文化や自然に誇りを持っていいのだ、って言うのはいいだろうけ

ど、他国も必ずその他国独自の優れた文化があり、それを尊重する感性と理性を

養うことができる国民を育てることこそが大事なことであって、自国の利益を侵

害する可能性のある他国を威嚇する準備をするのが大事なはずはないのだ。




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