2/1のしゅちょう 文は田島薫
(生命力ついて2)
さっきテレビ見てたら、昔バラエティなどに出てのんびりとくつろいだキャラクターで人
々を楽しませた篠沢教授が、なんとかって特殊な病気で、ベッド生活してるらしい、って
話だったもんで、悲惨で可哀想なドキュメンタリイか〜、って、ちょっと見てからすぐに
チャンネル回しちゃおう、って感じでかまえてたら、レポーターがさわやかな笑顔して、
楽しかった〜、って言ってる。
なんでも、身体の筋力が衰える病気で、まずのどにきて声帯が使えなくなり、声が出ず、
会話は全部筆談だ、ってことのようなんだけど、レポーターの問いかけに応える筆談が、
冗談っぽさもありすんごく楽しくて、応えて書いてるのを思わず、なになに、ってのぞき
込んじゃった、って。
身体もそんなにスムーズに動くわけじゃなさそうなんだけど、毎日、歩行運動はするし、
効かない手の指一本使ってパソコンのキーボード打ちながら、ベッドで毎日2時間ぐらい
専門のフランス語の本の翻訳やら、身辺歴史のようなものを執筆してるそうだった。
なんだか、ちょっとした自分の不遇さを悲観してストレスでおかしくなっちゃうような人
々ばっかりのような現代にあって、お〜、って思えたのだ。
篠沢さん、自分の境遇について、毎日の自分の状況を楽しむ、(だったっけかな)のよう
な感想を筆談したようだ。
どんな状況でも人は楽しくやれる、って簡単に言っても、重病人である当事者からみれば、
ふざけんな、って感想も出そうだけど、そりゃ、四六時中、肢体の骨折時ぐらいの痛みが
続く、って言う人や、死にそうな息苦しさが延々続く、っていった人なんかは、なんとか、
痛み止めなり、人工呼吸器なり使った方がいいと思うけど、なんとか平静にいられる場合
でも、耳が全く聞こえないとか、目が全く見えないとか、足が全く動かないとか、ま、脳
が認知を拒否するとか、いろいろな障害があったとして、例えば、ゲージに入れられたま
ま殺されちゃった宮崎の牛や鶏(もっとも、伝染病がなかったとしても、彼らは殺される
運命にあるわけだけど)よりは自分は幸福だ、って感じられたらいいんじゃないかな、っ
て、障害者に、健常者の私が言っても説得力はないと思うんだけど、だれだって、明日は
障害者になるかもしれないわけで、心は篠沢教授に学びたい。
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