(辛い人生の楽しみ方について)
五木寛之のベストセラー「大河の一滴」のほぼ受け売り、ということになりそうなんだけ
ど、まだそれを読み始めてもいないで、ぱらぱらとページをめくっただけなもんで、少し
違うとこがあったとしても、ご勘弁を。多分同じような論旨のベストセラーで加島祥造の
「求めない」ってやつもそうで、「良い人生」を送るコツは、要するに、色んなものや事
に期待を寄せない、欲しがらない、ってことのようだ。
良い人生、って聞くと、たいてい人は、立身出世とか何不自由のない生活、といったこと
を思い浮かべ勝ちだと思うんだけど、それが達成された人々が果たしてみんな幸せを感じ
ているか、っていうとそうは言い切れない、ってことのようだ。
幸せを感じるのは自分の心だから、傍目にそれらが達成されてるように見えたとしても、
そのひとつひとつの内容が自分の理想や希望通りとは限らないのだ。
例えば、仕事上や日常で関わり合う人たちに、自分が望むような対応をしてもらえない、
とか、自分は十分に仕事の業績を上げてるつもりなのに、だれもそれを正当に評価してく
れない、とか、子供が自分が望むような道に進んでくれない、とか、なかなかゆっくり休
みがとれないで、責任ばかりおしつけられて、失敗するリスクにいつもおびえて、ストレ
スのため体調が悪く、そういえば定期検診で精密検査を勧められた、とか。
成功してるように見える人でさえ、切りない不満や心配があるわけだから、そうじゃない
人なんかは、例えば、きつくて辛い仕事や体調不良、次々起きるトラブルや、子供の学費
の心配やら生活費の不足や失業や将来の不安とか、ますます切りがない。
ま、そういった諸々の不安感や辛さは、どっから来るかというと、自分が期待する、こう
あるべきはずだった、っていった観念があるため、それといつも比較してしまうところか
ら来てるのだ、と。
もともとから、人生、ってもんは大変なもんで、自分の思い通りに行かないのが普通のこ
とだ、って考えられたら、過酷な状況でも慌てて悲観し過ぎることもなく、自分のできる
ことを淡々とやるだけ、って落ち着いていられるはずなのだ。
人生楽しく心地いいのが当たり前、って考えてると、それが目の前にあっても無感動だろ
うし、ちょっとの不足に気がつけばそれがストレスになったりして、ところが、もともと
辛いのが当たり前の人生、わかりあえる人なんていないのが当たり前、って思ってたとし
た時、ふいに、ささやかな人のやさしさなどに触れられた時、どうだろう。 |