12/4のしゅちょう             文は田島薫

(わけのわからない怒りについて)
                 
沖縄の基地移転工事を遂行する前の環境調査報告をいつ出すか問われた防衛次官

(?)だかなんだったかが、「犯す前に犯すって通告するものはいない」(なん

のこっちゃ??)って言ったとかで、マスコミに取り上げられ、沖縄住民が怒っ

てる、ってことで、このほど代りにおわびに行った防衛相も県知事に問答無用っ

てほど怒られてた。

多分、その問題とされる発言者は、記者をまじえての非公式の懇談で気楽に発言

したことを、そのマスコミが沖縄県民に、こんなこと言ってましたよ、ってわざ

わざ悪いニュアンスで告げ口する、といったこのところお馴染みのパターン。

これは、民主政権の足を引っ張る材料集めに精を出す野党自民党のプッシュがあ

って、アンテナを張り巡らしてる、って構図もあるんだろうが、マスコミのこう

いった低レベルの内容ばかりに力入れる報道はいかがなもんだろう。

たしかに日本防衛政策などのやっかいな部分ばかり押し付けられ、環境破壊や、

米軍の地位協定などで、少女暴行事件などが不当処理されたりした事実を連想す

れば、犯す、って言葉に沖縄県民が敏感に嫌悪感を持つのは当然と言えば当然だ

し、そういったことのない細やかな配慮を持って政治家は発言をするべきだ、っ

て言えばその通りなんだけど、政治家だって人間だし、失言もあるだろう。

それでも、そういった失言をするのはその政治家に沖縄県民の辛さへの深い認識

が欠けてるからだ、って言われればその通りだ、って気にもなってくる。

で、そういった配慮が足りなかったとして、犯す、って言葉を使ったらそれだけ

で、沖縄を侮辱したことになる、って言い方を沖縄県民の他、マスコミから一般

市民のほとんどの人々が当然のことのように共有してるようなんだけど、ちょっ

と乱暴なんじゃないか。

だって、その発言者がそんな気持ちを持ってる、ってことは考えにくいし、逆に

現行しようとしてる政策が、環境を犯すもんである、ってきっちり認識してる、

ってことも言えるわけなのだから。

環境や沖縄の人々の気持ちを犯してるのに、それに気がつかないか、そんなこと

はたいしたことではない、ってその政策自体を強引に押し進める方がよっぽど問

題なんじゃないだろうか。

問題の本質をいい加減にしといて、言葉尻をとらえちゃ、個人の人格攻撃に精を

出す政党運動には国民はあまり巻き込まれない方が得策なのだ。                                                                                                                                                                                                                                                                                     




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