5/3のしゅちょう             文は田島薫

(鳩山首相の誠意について)

普天間基地移転問題で、結論がなかなか出せない、ってその決断力などについて、マ

スコミ上で、民主党つぶすチャンスとばかりに張り切った野党ほか、政治評論家から

一般国民まで批判してるわけだけど、候補地に名乗りを上げる協力者はいないばかり

か、唯一可能性の高い徳之島の住民の大多数までが反対したりして、孤立無援といっ

た首相は大変だろう。

沖縄がひとりで日本の負担の部分を押し付けられてる現状にこころから同情して、県

外移転を提唱した鳩山氏だったんだけど、現実に政権を取り、その発言を実行する段

になり、その実現の難しさを実感したらしい、ってことについて、その最初の発言の

軽率さを批判することはだれにとっても容易なことだろう。

政治ってものは確かに現実をよく直視し、綿密に調査検討を加え、最適なものに練り

上げて行くものだ、ってことはその通りなんだけど、ひとつのあるべき理想があり、

それを実行する時に、それが例えば米国の側の理想とかち合う、と言う理由でこっち

がすぐにそれを引っ込める、といったもんでいいはずはないのだ。

辺野古の沿岸を埋め立てることで了解した沖縄も、首相の発言によってやっぱり反対

ってことになったわけで、これが国民全体の協賛を得て候補地や協力者が出てくれば

米国に対しても説得のしようもありうまく運んだかもしれないんだけど、こういった

事態になったら、例え、落ち着くところが、やっぱり辺野古で、でも自然環境破壊を

最少にする杭打ち工法にする、ってことでも、元の埋め立て工法よりは前進してる、

ってことになるのだ。

沖縄の基地負担を削減させたい、しかし国内でどこも誘致を許すところがない現実と、

普天間基地の最大問題点は住宅地の上を軍機が飛ぶ危険性であり、辺野古基地建設の

最大問題点は自然環境破壊なのだから、自民党の政策のまま実行されたのと鳩山首相

のがんばりとくらべて見た後で、普天間基地移転問題について鳩山さんのおかげで最

近初めて知った、っていう多くの国民が首相を非難できるだろうか。




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