7/12のしゅちょう             文は田島薫

(政治家と芸術家の違いについて)

民主党がこの参議院議員選で過半数割れしてしまった理由は、菅首相が消費税10%、って

発言したことが、一般庶民に負担増だけのイメージを強く与えてしまったため、ってこと

が大きいんだろうけど、行政改革について、特殊法人の仕分けを実行アピールしたものの

まだその実際的成果が見えなかったり、農家への所得保証や子供手当てなどのバラマキと

いった短絡的な予算の使い方に疑問が集中したせいもあるだろう。

もっと即実行できるはずの公務員給与カットなどによる財源増や全国民に適用できる雇用

の不公平構造改革による異常な所得格差解消や、セーフティネット整備などの計画が具体

的にきっちりわかりやすく説明されてたら消費税の話もすっと受け入れられ、投票率も上

がり、獲得票も倍増しただろう。

政治はなんといっても、具体的な計画と実行によって成果がでなければいくら理想を口に

出してもうまく行かないことは、鳩山さんの実例が示す通りなのだ。

民主党に限ったことじゃないんだけど、だいたい、候補者に、安易な人気取りを目的に芸

能人を引き入れるのも、どうか。芸能人といっても、きっちり政治に関心と動機と具体的

な目標があるならいいんだけど、ただ、「いい国にしようではありませんか」って叫びま

わってたり、逆立ちして見せてまわったり、ってだけで、国民が、よし、彼に政治を託し

てみよう、ってあんまり思わないはずなのだ。

芸能人はいわば芸術表現が仕事なわけだから、内面の、言葉にできない感情のような抽象

的なものを表現するから価値があるのであって、国民生活環境の不具合を是正し快適性を

向上させるといった具体性を徹底する政治とは対極のもののはずなのだ、もちろん芸術的

センスと政治的センスを両方持ち合わせている人もいるのだろうし、その人が政治的表現

を主体にしていこうと思ったその場合は、必然的に芸術的センスの発揮はおとろえるから、

そこから政治的センスを磨き出すのもいいのかもしれないんだけど。




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