7/5のしゅちょう             文は田島薫

(自己過信について)

先日、自己愛について書き、私自身も含めて、つい劣等感に落ち込み勝ちの多くの人は、

自分はけっこういい線いってる、いいとこあるなどと自分自身の気分を乗せる勧めをし

たんだけど、そればっかりに力を入れてると、他人に対しての関心が薄くなって来て、

他人の気持ちだとか都合だとかに思いが至らなくなることもあるから気をつけたい。

自分の場合を考えると、たいてい、知らずに自分の都合のいいように物事を考え勝ちの

ようで、これはよく言われる、物事はいつも他人の立場に立って考えなさい、ってこと

がすべてなんだけど、これがわかってるようで難しいことのようだ。

けっこうだれでも、そんなことは常識だし、いつも自分は他人の立場に立って物事を考

えてるよ、って感じてるふしがあり、私自身もそのつもりでいたりするんだけど、よく、

なにかのこちらのアクションに対し、それの不備を指摘されることがある。で、それを

された時に、すぐに、だって、こういった状況で、自分は自分なりに他人にもよかれと

考えてそうしたんだから、そんな非難をされなくてもいいんじゃないか、ってまず考え

たり、自分の都合をまくしたてて弁解したりしたことも昔はよくあったし、今でも、ま

ず、そういった、どうしてだ?って不満感情が起きる。しかし、冷静に考えてみれば、

相手の指摘はいつも一理あって、こっちになんらかの過失がある場合が多いのだ。

で、そういうことに気づかされるような公平性のある指摘をする相手には感謝も感じる

ぐらいなんだけど、状況だとか、こっちの都合だとかを完全無視して、自分の方の都合

だけでものを言う相手に会うことがたまにある。

そういう相手はたいてい上下関係を意識するタイプに多いようで、自分が社会関係上、

下に属すと意識すると、理不尽な意見にもすぐに折れる代りに、逆の立場と思うと、も

う相手の意見はことごとく否定して、相手の都合なり考えなどには全く思いが及ばない、

ってことが起きる。

これは当人の性格が特別悪いとかということではなくて、人はそういった中間管理職的

ポジションに置かれるとそういった思考傾向になり勝ちなんだろうと思う。

上から自分の都合を無視されたようなことをされ続けていると、逆の立場になった時、

自分はそれをもっと気をつけよう、って考えるんだろうと思いきや、自分はそういった

感情をよく知ってるから、相手の立場だってよく考えることができる、って信じ、確か

に、上の立場の意向にそうことはよく考えるんだけど、下の方のそれに対してのおろそ

かさには一向に気がつかない、ってことが起り勝ちのようなのだ。




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