1/5のしゅちょう 文は田島薫
(生活の豊かさについて)
不景気で、大部分の下請け中小零細企業や自営業はコスト削減や切り捨ての目に合い、
厳しい生活を強いられてる中、独自の商品開発や営業で収益を伸ばしてる企業もあるよ
うだけど、たいていは価格競争中心で、いかにコストを安く抑えるかで勝負していると
ころが多く、海外のより安い労働力に依存して行く形も目立つようだ。大企業も大変だ
とは言え、自分達の利益を確保する手立てはあって、それは、下請けの発注コスト削減、
っていったことで、さらっと聞けば普通のことのようだけども、それを受ける側の下請
け労働者にとっては大幅賃金カットや失業を意味するわけで、そんなことが平気で行わ
れてるもんで、国民の所得格差が尋常でないところまで拡大し続けてるのがわが国の現
状なのだ。
カットする側の大企業の労働者だって楽ではない。自分達の賃金レベルは確保されるも
のの、巷じゃ仕事がないって嘆いてる人が大勢いるっていうのに、労働時間は増え続け、
心と身体の休まる暇もない、といった雇用構造のアンバランス。
それでも、仕事が沢山あって忙しい人々は、世の中仕事がない人もいるんだから、自分
はまだ幸せだ、って思い、給料は多いほど助かる、って残業が増えるのを喜んだりする
人もいたりして。で、ゆっくり自然を鑑賞したり読書したり、思索したり、こころゆく
まで趣味を楽しんだり、なにか新しい事業を試みたり、ってことができないうちに忙し
さだけで、人生を終える。
一方金がないもんで、いつも仕事を求め、貧しく寂しく悲しいだけの生活を続けて一生
を終える、とか、しかし、こっちの方は、心の持ちようでけっこう楽しかったりもする。
しかし、この両者とも不足があることは明らかなんだから、互いに歩み寄って、って言
うか、忙しい前者の方が少し金をあきらめて、仕事を分けるような、いわゆるワークシ
ェアリングといった発想をして行くことで、みんなが幸せで心身ともに豊かな生活をす
ることができるはずなのだ。
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