11/9のしゅちょう             文は田島薫

(オバマのアフガン政策について)

人種をはじめあらゆる社会的差別撤廃や世界平和実現を掲げ大統領になったオバマさ

んには期待を抱かせる力を感じたんだけど、唯一の不安はアフガン政策で、就任当時

高かった支持率が今や50%ほどに落ちた原因もこれのせいが大きいようだ。

イラクで10万もの市民の命を犠牲にして、バクダットも少し治安が安定したようにも

見えるけど、まだテロは続いてる、って言うのに、進歩的に見えるオバマさんも、イ

ラクは一段落、次はアフガンで、テロ組織の壊滅を目指す、っていった、基本的に、

失敗したイラク政策と同じことをしてるのは全然ダメだ。

米国民も、若者たちが現在進行形で戦場に送られ、大勢の死者が出続けてるのを見て

たら、大丈夫かい?ってベトナム戦争の教訓も空しく、イラクに続きまたアフガンか、

って絶望感に囚われても仕方ないだろう。先日の軍施設での銃乱射が、戦地での心の

傷を治療する精神科医によってなされたのもそれのひとつの現れだろう。

だいたい平和実現を目的にした進歩的リーダーが、タリバンもイコール、テロ組織、

って決めつけ、相手の立場も考えず、十分な交渉努力を省いた壊滅作戦を実行しよう

とするのは矛盾だろう。

テロは悪でそれをつぶすのは正義だ、って思い込むんなら、テロ組織の方にだって、

それをしなくてはならないイスラムのジハードって正義があるのだし、イスラム底辺

の人口でも考えたら殺し合いに切りがつくはずもない。

知らずに科学的武力優位に正当性を感じて、先制攻撃をよしとしてるなら、いくらイ

ランなどへの一方的核武装非難などしてたって、パキスタンは核保有なんだし、テロ

組織が核を持つ危険がより増すのだ。

テロ組織だろうが、きちんと相手の立場も認め、先制攻撃はやめ、攻撃されなかった

ら攻撃しない、ってルールをきっちり守り、敬意をもって話し合い交渉に全力で励む

のが、本当の意味で、人種差別のない行動、ってものなのだ。





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