5/25のしゅちょう             文は田島薫

(北朝鮮の核実験について)

北朝鮮は先日のロケット実験強行に対しての国連安保理からの非難決議や経済制裁

措置に抵抗して、地下核実験も強行した。

これについて欧米日韓の政府からの非難は必須だろうし、マスコミの大勢も同調す

るだろうから、一般人のわれわれで同調しない方が難しいだろう。

国民だって飢えるぐらいの理不尽な独裁政権で武器や麻薬輸出、偽金造りさえし、

他国人の拉致もする国っていえば、とんでもない悪い国だ、ってだれもが考えても

しょうがないかもしれない。しかし、とんでもない独裁政権は過去の歴史ではどこ

の国でもたいていそうだったし、他国への侵略さえさかんにやってたわけで、その

理由のひとつに自国民の貧困状況救済といった面も否定できなかったわけだから、

北朝鮮のぎりぎりの生き残り政策を頭ごなしに、悪の国などと批判する権利はどこ

の国の国民にだってないのだ。

それだったら、核武装開発凍結して平和政策で先進国の経済援助を受ければいいじ

ゃないか、って人は思うかもしれないけど、ついこのあいだ、国連の核査察を受け

入れ非核を証明しようとしたイラクは、理不尽に疑われたまま米国に攻撃され、

10万もの犠牲が出たわけだから、北朝鮮だって、丸腰で安心してはいられない、っ

て事情もあるのだ。

先日のロケット実験についても、日本の大騒ぎは馬鹿げてる、って私も書いたんだ

けど、一般人のだれかは、もっと大騒ぎするべきだった、などと一方的に北朝鮮に

恐怖心や非難をあおるようなことを新聞誌上で主張してたんだけど、たまたま現在

貧しいので、なんとか経済援助を受けたいけど、乞食のようにお願いはしたくない、

各国が歴史の過程で頼って来たのと同じように武力を確保し、いつ攻め込まれるか

わからないような危険なしに、プライドを保った交渉によって外交したい、って考

えるところの、まだどこの国も侵略したことがない国が、今までさんざんいろんな

国を侵略してきた国よりも悪い国だ、って無邪気に言い切れちゃう人は、マスコミ

などの風潮に流される傾向があるのだから口をつつしんでもっとよく考えてみよう。




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