11/11のしゅちょう             文は田島薫

(オバマさんのえらさについて)

政治家に必要な能力は、世界の現状を正確に把握し、それをよりよい方向へ変革し

て行くための具体的方策を見つける努力と技術と、それを実行する努力と技術、っ

てことが言えるんじゃないかと思うんだけど、それがより大きなスケールでされ、

実現を期待させるだけのものを見せてくれる人物はそうはいない。


人はだれでも自分の立場からものを考え主張するわけだから、違った立場の者とは、

いつも意見の衝突をするわけで、そうなると、相手の意見の間違いを証明しなけれ

ばいけない、って焦るあまり相手を必要以上に馬鹿にしたり、我田引水的な表現を

まくしたてがちになるのが(私を含めた)一般人の常で、それでも言うことを聞か

ない相手や、現実的な力で押さえ込もうとする相手には憎しみを感じたり、それを

露骨に表現したりする。


しかし、そうやって敵視した相手同士の究極は力と力の戦いになり、うまく運べば、

革命の達成といったことになるわけだけど、それが成功するためには例えば国民の

大多数の意見の同意がいるはずで、それがないものは失敗するか独裁政権の達成で

しかないわけだから、革命というものにはいつも武力が必要、というわけではない、

ってことが言える。


とりあえず民主主義の国だったら、一番大切なことは国民全般への福祉や理想社会

創りの計画といったものへの共感を得ることで十分なのだ。

で、力と力の闘争よりも、それぞれの立場を理解し同情しあい、国造りを協力しあ

えたら一番いいわけなのだから、無用の敵視なぞしてるヒマはない。白人も黒人も

黄人も褐色人も老人も若人も金持ちも貧乏人も男も女もゲイも、みんな同じ米国人、

みんなで世界をよくしよう、とりあえず、困ってる仲間を助けよう、未来の子供た

ちのために、冷静に世界の矛盾を解決して行こう、って。

敵対といった概念をはずして、それぞれがそれぞれの都合で一生懸命生きてる世界

をまず肯定して、みんなでよくしよう、って訴えるオバマさんは、えらい。




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