12/15のしゅちょう             文は田島薫

(連合の無自覚について)

労組の連合会長が、来春闘の戦い方についてコメントしてたんだけど、近年の不

況の中、大企業の非正規社員大量解雇について、正社員と同様な整理解雇の原則

が適用されるべきだ、って企業労働組合が言っていかなくてはならない、って正

論を吐くわりに、09年の春闘ではベ−スアップを盛り込んで行く、って言う。

経営側は「賃上げより雇用の安定」って言ってて、これは客観的に労働環境状況

を見たらどう見ても正論なのに、連合の方は、賃上げをしないと需要は戻らない

し雇用も減る、ってわけのわからない理屈を言って、雇用と同時に賃上げも要求

するんだと。

不況で企業利益が落ち込んでいるのは事実で、そのためにリストラや下請け企業

への過酷なコストダウン要求が行われている流れで、非正規社員率の増加から、

それの大量解雇といった現象になってるわけなのに、そういった切り捨てられる

側の待遇改善が完成する前に正社員の待遇ばかりを主題にした賃上げ要求が、ど

ういった悪影響を及ぼすかぐらいだれにでもわかる話なのだ。

この時期、へ理屈つけて、自分たちだけの賃上げ要求を持ち出すんでなく、切り

捨てられる非正規雇用や下請けへの待遇改善のため、むしろ、残業などをなくし

たり、労働時間減らしたりして、賃下げ容認しても、経営側の主張するワークシ

ェアリングなどの雇用安定運動を広げるのが、すべての労働者のための労働運動

の社会的役割じゃないのか。

いくら建前できれいごと並べてても、経営側と正規労働者側の間だけで利益のパ

イの取合いやってるなら、必然的に切り捨てられる非正規労働者や下請け企業か

ら生活さえできない失業者や貧困者が増え続けることになり、それは、生産され

た物を買う層も縮小して行くってことでもあり、不況を加速させることになるこ

とは目に見えてるのだから、自己中はたいがいにして欲しいもんなのだ。




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