7/31の主張 文は田島薫
(雇用構造の無策について)
今朝の朝日新聞に、「偽装請け負い製造大手で横行」って記事が出てた。
実質的には派遣会社からの派遣社員を雇ってるのに、下受け企業の請負、ってこと
にして、一定期間経過後の直接雇用義務を免れている偽装がキャノンや日立、松下
電気の子会社、東芝系列会社、トヨタ自動車グループの部品会社などで横行してる
そうで、ボーナスも昇給もなく結局正社員の3分の1程度の賃金の請負労働者が、
ある工場では正社員の3倍以上の人数だそうだ。
わが国のほとんどの大手企業が正社員を減らし、賃金の安い非正社員を増やす傾向
にあって、なおかつ、いつでも首きりができる、偽装雇用などもやって、利益を上
げてるわけだから、先日の自動車業界の好景気で、正社員たちの給与や、ボーナス
に大金が払われたようなニュースは非常にアンバランスで不公平なものなのだ。
景気アップの報道などでは企業の利益や、社員のベースアップのようなことを、組
合などが主張してるわけだけど、一方で全く同じ仕事をしているのに、賃金が3分
の1しかない社外からの派遣労働者などの非正社員数拡大や、下請け企業への納入
コスト削減要求などがセットであるなら、下がり続ける劣悪雇用形態を放っておい
て正社員である自分達の利益のみを主張する組合は、経営側と同じく、反社会的行
動をしてる、ってことにもなるわけなのだ。
ただ結果の生産効率のみを追及して、そこで働く労働者の待遇に前時代的不平等を
良しとするなら、自由競争をはき違えた無策経営であり、それを監視指導しきれな
いなら、同じく自由競争をはき違えた無策政治だ。
安くて高品質の製品を供給する企業への敬意は、社会的義務とも言うべき労働者の
雇用環境全体への配慮と改善が前提にならなければ空しく消え去るものだ。
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