11/21の主張             文は田島薫



(建設ラッシュについて)

一部自由主義経済を取り入れた中国ではマンションなどの建設ラッシュが続いて

いる話は、まだまだそういった建物の需要が見込まれる国なんだろうから、なる

ほど、って思えるんだけど、少子化が進んで人口が減って行くっていう日本でも

首都圏を中心にマンションの建設ラッシュが続いているのはどうなんだ。


国内のだいたいの人々はどっかに住んでるわけだから、今よりもっといい住環境

を求めてる人が沢山いて、みんながそのグレードアップをするためだ、ってこと

なら、それは当ってるんだろうか。

貧富の二極化で金持ちにはそういった人々もけっこういるんだろうけど、大多数

の人々は賃金カットやリストラに会い、今より安いところへ移りたいぐらいだと

考えてるんじゃないか、って貧しい私には思えるんだけど。


沢山の建物をどんどん建てればとりあえず、建築業界の経済が活気づき、労働者

も潤おうし、もし、仮に建築バブルが弾けたとしても、却って価格が下がって、

貧乏人にも買いやすくなるし、売り逃げてれば、自分たちに被害は及ばない、最

悪でも国に公的資金で援助救済してもらえば問題ない、って、業界は考えてるん

じゃないか、って勘ぐりたくなる。


だいたい、その場限りの目先の利益だけで日本じゅうが大忙しで、その結果の責

任までは、役人をはじめとしてだれも考えてないのだ。

そして、最後に割りをくうのはいつも、底辺の貧乏人だ。

マンションがいくら安くなったって、同時に仕事もクビになったりして、そんな

もん買うどころの騒ぎじゃなくなるのだ。


そして、造り過ぎて入り手のなくなったマンションは管理も行き届かないまま廃

屋になり、負債を抱えた業者は逃げたり元は税金であるところの公的資金の援助

受け、庶民の税金もじりじり上がり続ける、って構造だ。


われわれは、将来の国民の住環境設計図をきちんと描けない政治家や役人どもを

どんどんクビにして行こうではないか。




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