9/11のしゅちょう 文は田島薫
(戦争を止める方法、について 70)
今年のインド議長のG20で、ウクライナ戦争についての総括が昨年のロ
シア名指しの批判がなくなった、ってことで後退したと、われわれ西側
メディアは報じてるんだけど、ロシアの侵攻以来ロシア断罪主張をくり
返してウクライナへの軍事支援してることで、戦争停止や和平に近づい
てるならいいんだけど、現実は、一向に先の見えない泥戦が続いてて、
双方の国民が死に続けてるだけ、ってことでいいのだろうか。
相手を悪と決めつけて、正義の鉄拳を打下ろす、って立場はいい気分の
ものかもしれないし、命の危険がないリーダーはそれで、どんどん攻め
て行け−、あきらめてはいけない、って言ってるんだけど、実際に戦場
にいる住民や兵士は、味方に被害はなしで勝ち進んでる時はいいとして
も、戦争ならいつもそういうわけにはいかないのだから、常に死の恐怖
の中にいるし、現実に仲間や家族が死ぬ情況も起こるのだ。
戦ってる双方が相手を、殺さなければこっちが殺される、憎むべき敵だ、
って感じてて、実際にそれが起きれば、憎しみも現実のものになるわけ
で、それについては双方が同じ立場なのだ。
平和時には普通の生活をする家族の親や子どもが戦争になれば、同じよ
うに普通の生活をしてた家族の親や子どもと殺し合いになり、わざわざ
元々は根拠もなかった憎しみの連鎖を生む戦争は馬鹿げてるのだ。
各国の考えの浅いリーダーがいつも主張するのは、悪い相手国が軍事的
な脅威だから負けない軍備を整える必要、ってことなんだけど、その政
策や考えや発言そのものが敵視を体現して相互に悪循環を創るのだ。
日米韓が散々核兵器同盟したり中国や北朝鮮近海で共同軍事訓練したり
してるのを棚に上げて、北朝鮮や中国の軍事演習などをさかんに危険視
していつも上から目線で批判してるのは戦争の抑止力とは反対の効果を
生む愚策なのだ。
日本のリーダーなどはそれに輪をかけて、軍事予算を拡大して沖縄に迎
撃ミサイルを設置しようとしたり、核兵器禁止条約を批准しないばかり
か、近年米議会が、核兵器の先制使用禁止条約を決めかかった時、抑止
力が弱まるから、って反対したのは全くの間違いなのだ。
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