4/24のしゅちょう
            文は田島薫

(戦争を止める方法、について 51)


ロシアはウクライナに軍事侵攻したことが、武力による国境の現状変更を

画策した、ってことで許されることではない国際ルール違反である、って

言って、西側諸国はウクライナの徹底抗戦の正当性を支持して、軍事支援

を続けてるんだけど、その結果、決着が着くまで戦争は継続することにな

るわけで、ウクライナにとっては祖国を守るための正義の戦い、ってこと

にしても、国土全体が破壊され続けて、何百万もの国民が難民になったり

何万何十万もの犠牲者が出たりし続けてるのを、第三国は基本、成りゆき

を傍観してるだけでいいのだろうか。

ウクライナと西側はロシアは悪で交渉できる相手ではないと決めつけてる

んだけど、中国などは、戦争終結を第一に提案し、ウクライナにも少しの

妥協を求めてるようだけど、それにも、ただ、上記の黒白判定を頑に主張

してる西側は、少し耳を傾けて検討したりする必要があるんじゃないだろ

うか、だって、双方がむきになった戦争継続は、リーダーよりも、双方の

国民の命を削り続ける、って馬鹿げた現状なのだから。

西側が武力による現状変更、ってことに批判の原則を置くなら、ロシア側

のプ−チン大統領だって、ウクライナのゼレンスキー大統領が、ウクライ

ナ国内の親ロシア派住民を武力による迫害をしてる、って主張してるのだ

から、それが事実なら、親ロシア派政権が打倒されたのもそのためだ、っ

て見方もできるし、同じだ、ってことになるはずだ。

もちろん、親ロシア派だろうが、ウクライナ国内にいたら、内政問題だ、

って言えるだろうけど、それなら、近年の米国主導の西側によるイラク攻

撃だって、内政干渉の結果だと言えるわけだし、ロシアがとんでもない悪

事を働いた、って決めつけて正義面で糾弾してる資格があるかどうかを、

自分たちの胸に手をあててよく考えてみるのがいいのだ。

もちろん、プ−チン大統領の主張には怪しい部分がありそうだし、独裁的

政権に届く情報には我田引水的傾向があるだろうし、根拠も乏しそうなん

だけど、多分プ−チン大統領自身がその情報によって組み立てられた物語

を信じてるのだろうから、悪、と切り捨てて済ますんじゃなく、その主張

の根拠になる情報を、プ−チン大統領と一緒に検証してみるぐらいのこと

はするべきだし、それが和平のための相互理解の一歩なのだ。




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