12/28のしゅちょう 文は田島薫
(国境、について)
戦争を経験した世代には、戦後わが国が、軍国主義から民主主義に変わって
も、どっかそれまでの教育の刷り込みが潜在意識に残ってて、かつて占領し
た国々の中国や朝鮮や韓国に対して、見下す気分があったようなんだけど、
戦後生まれの世代にはそういうものがないようで、韓流などと、韓国のドラ
マの主人公の追っかけする日本人女性たちが出たり、今の若者たちなんかも、
韓国のアイドルの追っかけしたり憧れたり、韓国料理や、中国、台湾料理も
大はやりで、わが国にもそんな店が大はやりしたり、現地への旅行も大はや
りだし、逆に日本のアニメやファッションなどが好きで行き来する中国や韓
国の若者たちも多いようで。
それはアジアに限らず、戦時中に国策で禁じられたにしても、もとから日本
人が憧れてた欧米へ旅行する日本人も多いし、逆に日本文化を愛して、やっ
て来たり、永住する外国人もいたりで、文化交流は盛んで、そういう人々に
とっては、国際親善は自然に行われてるわけで、それがどんどん自由になり、
各国間の垣根がどんどんなくなって、それぞれの国の得意な分野をお互いが
尊重しあい、企業同士だって国を超えて協力しあうなら、お互いに利益にな
るのだし、共存共栄して、どこの国にも自国の人が住んでたり、仕事してた
りしてるなら、そこへ軍事攻撃、といった概念を持ち込む理由も消えるわけ
で、究極、国境の概念自体が不要のものになるはずなのだ。
だから、古い世代の政治家たちが、わざわざ他国への敵視政策を意識して軍
拡などに励む方向性は、けっきょく全くの愚策なのだ。
ジョン.レノンとヨーコ.オノがイマージン、って曲で、国境なんかない、
って歌ってるのは、だれでも心の底で共感できる真理なのだ。
そんなわけない、国境があって自国を守るために血を流すことをいとわない
のが本当の愛国者だ、などと、いかにも美し気なことを言うのはほぼ例外な
く、自分の身の安全は確認してから若者に説教するような思考停止老人と、
それに洗脳された短絡思考ぐせのついた無邪気な若者だけなのだ。
われわれ一般国民は、その間違った情熱のエネルギーのために知らぬ間に政
治に関与しだすこういった古い愛国主義者に十分気をつけよう。